連携・情報発信を駆使 労働力確保で産地支援
JAめぐみのは、岐阜県の中央に位置し、5市8町村からなり、県土の23%を占めています。また、北部と南部では標高差が大きく、異なる気候を利用してさまざまな農産物が生産されています。
農福連携で特産品の栽培面積を拡大
本店がある関市を中心とする中濃地域では、煮崩れしにくく、丸い形が特徴の「円空さといも」や甘みと酸味のバランスがとれた「ほらどキウイフルーツ」が栽培されていますが、後継者や労働力の不足による栽培面積の減少が大きな課題になっています。
そのため、2017年から地元の障がい者就労継続支援事業所である「株式会社DAI」に農作業の一部を委託。農福連携による課題解決に取り組んでいます。
この連携は、同社が県・農業普及課を通じ、冬場の就労機会を求めて相談したのがきっかけ。初めは円空さといもの収穫や調製作業を依頼し、19年度は全生産量の約2割(27㌧)を委託するまでになりました。生産者からは「まじめで丁寧な仕事ぶりに感謝している。おかげで栽培面積を5倍にできた」などと好評。この成果を生かし、ほらどキウイフルーツの袋詰めの委託も始まりました。
農福連携を中心になって進めた中濃営農経済センターの武藤保課長は「農福連携は、産地の活性化や労働力確保に直接つながる。担い手や集落営農との連携をさらに進めることで農業経営を支援する取り組みとなるよう今後も継続していきたい」と話します。
各メディアを使った労働力確保に尽力
「ひるがの高原だいこん」や夏イチゴ、トルコギキョウなどの花卉(かき)の産地である郡上市高鷲町でも、地域の基幹産業として栽培面積や出荷量の増大を望んでいる一方、後継者・労働力不足の問題が深刻化し、出荷のピークを迎える夏の時期には人手が足りず、安定供給ができない状況になっています。そこで、同JAは各生産組合の代表自らが出演し、収穫・出荷作業への協力を呼び掛けるCMを制作。地元ケーブルテレビや動画共有サービスYouTubeで公開しており、多数の問い合わせを得て、数件のマッチングが成立しています。
また、県内4JAの農家の求人情報を掲載したウェブサイト「ぎふの農業って楽しいやん!〜岐阜の農業で働こう〜」への掲載や、求人誌での特集取材など、さまざまな媒体を使い労働力不足の解消に向けて多様な活動を展開しています。
概要 | 令和2年3月末現在 |
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正組合員数 | 2万9390人 |
准組合員数 | 3万2246人 |
職員数 | 1327人 |
販売品取扱高 | 66億円 |
購買品取扱高 | 101億円 |
貯金残高 | 6025億3千万円 |
長期共済保有高 | 1兆2842億2千万円 |
主な農畜産物 | ダイコン、トマト、ナス、 サトイモ、イチゴ、飛騨牛 |