特集

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新たな取り組みと既存事業の強化

新型コロナの影響を踏まえ事業展開

 新型コロナウイルス感染症の拡大で、日本の経済や農業は大きな影響を受けています。全農は緊急的な対応として、全農のオンラインショップ「JAタウン」を活用した消費拡大、他産業からの人材マッチングや農作業委託、農福連携を活用して緊急的に要員を派遣するなどの労働力支援を行いました。こうした中、全農は新型コロナの影響を踏まえ、今後の中長期的な事業展開方向を取りまとめ、総代会で報告しました。全農はJAグループを取り巻く情勢や市場・海外の動向、新型コロナの状況を確認し、随時見直しを行いながら取り組みを進めていきます。


新たな取り組み物流機能の拡充とネット販売の拡大

 今後の宅配の利用増加や、保存性・簡便性の高い商品の需要拡大などを見据え、生協をはじめとした他企業との協業を視野に、仕分け・冷蔵冷凍保管・個包装・セット組み・共同配送などの機能を具備した新たな物流施設の整備を目指します。産地における広域集出荷施設の整備や消費地での広域ストックポイントの設置を通じて、生産者から消費者までの一貫物流体制を構築し、物流効率と品質の向上を図ります。

 また、ネット利用の拡大を踏まえ、JAタウンにおいて全国のファーマーズマーケット(JA直売所)を集めた専門店街の展開による出店数の拡大や、普段使いからプレミアム商品、冷凍・加工商品などの品ぞろえを充実させた販売の拡大に取り組みます。さらには消費者が望むタイミングで鮮度にこだわった商品を届けるため、JAや県域、グループ会社の直販施設などと連携した流通体系を構築し、JAタウンの利用拡大を目指します。

 
既存事業の強化販売力強化と労働力支援

 今回の新型コロナにかかわらず、以前から人口減少や高齢化、少数世帯や共働きの増加という変化が存在していました。それに加えて消費者の健康意識の高まりなどに対応するため、国産素材の冷凍・総菜・健康食品について、他企業との共同開発を強化します。食料安保の重要性や国産農畜産物の価値が再認識されたことを踏まえ、輸入から国産への切り替えにも引き続き取り組みます。輸出事業では海外におけるコロナ感染症の終息後に備え、海外現地での営業体制を強化します。

 また、国内での労働力確保の必要性が再認識されたこともあり、農作業受委託の広域展開とともに、他産業からの人材受入や地方在住者との人材マッチングなど、新たな視点で労働力確保に取り組みます。構造的な生産年齢人口の減少下においては、農業に係る作業や労力の省力化が必要なため、少人数による農業生産の実現に向けたスマート農業や省力化機器等の研究開発・普及に努めます。

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