特集
経営企画部
2020年6月1日(vol.925)
JAアクセラレーター(第2期) 採択企業紹介①
JAグループが東京・大手町に設立したAgVenture Lab(アグベンチャーラボ)で、5月18日にJAアクセラレータープログラム(第2期)の最終審査コンテストが開催され、8社が優秀賞として採択されました。今号から8社を順番にご紹介します。
株式会社CuboRex
プラン名 ねこ車電動化キット「E-Cat kit」
有田ミカンで有名な和歌山県有田市出身の寺嶋瑞仁氏が代表を務める同社は、雪国や農地などの悪路環境で使用可能な乗り物や運搬器具を製造開発しています。主な製品はクローラ動力ユニット「CuBase」、手押し一輪車の電動化キット「E-cat kit」、乗り物などへ取り付け可能な動力装置「CuBox」です。
コンテストでは、「世のすべての一輪車を一時間で電動化」することで、中山間地における農業の課題解決(人力中心の農作業の軽労化・効率化)を目的としたプレゼンを行いました。手押し一輪車の電動化キット「E-cat kit」は、ミカン収穫現場などでの運搬作業が軽労化され、高齢者や女性でも運搬作業が行いやすくなること、運搬車を斜面や不安定な場所でも使用しやすくなることで、作業速度を約2倍、体への負担を約半分にすることを可能としています。
今後約4カ月間に渡るアクセラレータープログラムにおいては、JAの営農センターでの「E-cat kit」試験販売の実施、独自技術を活用したさまざまな農業ロボットの開発検証を目標としています。
株式会社シェアグリ
プラン名 シェアグリ特定技能人材派遣
同社は長野県佐久市で150年間続く種苗会社を実家に持つ井出飛悠人氏が代表を務めています。農業における人手不足を農業人材派遣などのシェアリングエコノミー(インターネットを介して、個人間で物・技能などを共有する仕組み)により解決を目指す会社です。
コンテストでは、「農繁期に限定した特定技能人材(※)の派遣」により、必要な時に必要な人数だけの人材確保を可能にすることで、農業者の人手不足の解消による安定生産および人件費の削減による手取り向上を目的としたプレゼンを行いました。
今後約4カ月間に渡るアクセラレータープログラムにおいては、JAと連携して特定技能人材の派遣先を確保することで、将来的には全国の産地間における人材リレーを実現し、通年で特定技能人材を全国に派遣可能な仕組み作りを目標としています。
※特定技能人材とは、農業等の人手不足が深刻な産業分野における一定水準以上の技能や日本語能力を有する新たな外国人材として、2019年4月に認可された人材。