WCBF理事長 王貞治さんが表敬訪問
愛情込めた料理が子どもの心身を育てる 野球教室 向上心のきっかけに
一般財団法人世界少年野球推進財団(WCBF)が主催する「JA全農WCBF少年野球教室」に全農が特別協賛して、今年度で27年目を迎えました。こうした中、1月にWCBFの王貞治理事長が全農を表敬訪問し、職員・関係者を前に自身の思いを述べました。王理事長は、愛情を込めた手作りの料理が子どもたちの成長の糧になると呼び掛けました。
JA全農さんには、少年野球教室をこれまで27年間、ご支援いただいております。その間、野球の底辺を広げようと138回の教室を日本各地で開催しています。野球は小さい子どもたちにとって体力が強化でき、友達も作れる、ルールを守ることも自然に身に付くスポーツです。うまくプレーできなかった子の悲しそうな顔や、うまくできた子がすごく嬉しそうに瞳を輝かせる姿を見ていると、これからも続けていかなければいけないと思います。
われわれの小さい頃は、よく家の近所に野球好きのおじさんがいて、その方のお陰で、野球をやることができました。それが「野球を好きになる」「もっと上手になりたい」という気持ちになるきっかけになったのではないかと思います。同じようにこの野球教室が、今の子どもたちにとってのきっかけになってくれればいいなと思っています。
小さい時ほどさまざまな経験を
この27年間の変化をみると、野球ができる場所が少なくなりましたね。学校でも「ケガをするから」という理由で禁止され、肩や肘を痛めるからと球数制限をするという話も出ていますよね。われわれの時代にも、野球をやってケガをした子、甲子園を目指しても故障して行けなかった子がいます。それでもそれぞれの道を歩んでいます。そういった意味では、小さい時ほどいろんなことを経験させるということが大事かと思います。ですから、大人の論理で子どもを管理してしまうというのはあまり良くないと感じています。そういうことに声を上げなければいけない時期に来ている気がします。
丈夫な身体を育てた母の手料理に感謝
食に関して私の経験をお話しすると、私の実家は中華そば屋でした。母が毎日、一生懸命作ってくれたものを口にして成長しました。今の人たちは背は大きいですが、真の強さというものは、昔の人の方が備えていた気がします。階段を踏み外したり、足首をひねったりしそうになった時の耐える力。それは昔の人の方が強かったと思います。
今はコンビニに行けば便利で手軽なインスタント食品があふれています。それでも野球教室では親御さん方に、「大変だと思いますが、お子さんのために手作りの料理を食べさせてあげてください」とお願いしています。本当に愛情を込めて、子どもに食べさせようと思って手作りしたものが一番の栄養になり、身体のためになるのではないかと思います。
全農さんに、もっともっとアピールしていただくと、お父さん、お母さんにも、ちょっと考え直してもらえるようになるのではないかと思います。私は本当に強い身体になりました。両親は残念ながらもう他界しておりますが、感謝しております。