【インタビュー】元オリンピック女子競泳日本代表 萩原智子さん
「水(みず)ケーション」を提唱 大切さ、ありがたさ共有へ
全農は、スポーツを通じて食の楽しさや重要性を知ってもらうことを目的に、シドニーオリンピック元競泳日本代表の萩原智子さんを講師に招き、毎年水泳教室を開催しています。萩原さんに、スポーツにおける「食」の重要性や、「食」への思いなどについて聞きました。
水泳を始めるきっかけとなったのは、小学校2年生の時。父が海で溺れかけている私を見て、泳いでいると思ってうれしかったと言ったんです。私はその言葉に驚きと悔しさがありました。その時、負けず嫌いの心が出てきて、父をびっくりさせるぐらい上手になろうと決心し、スイミングスクールに通い始めました。
いいところを伸ばす指導が成長を後押し
小学6年生で身長が170 ㌢ありました。この身長のおかげで覚えていただいたり、 話の種になったりするのですが、そのころは思春期で、大きいのが嫌でしかたありませんでした。好きになる男の子は、みんな私より背が低かったです。その他、すごくいろいろ悩んだ時期もありました。
ただ、水泳と出合って、小学6年生の1992年、バルセロナオリンピックで岩崎恭子さんが金メダルを取りました。それで、岩崎さんみたいになりたいと思ったのがきっかけで、オリンピックというものを意識し始めました。私自身、変わることができました。私は オリンピックに出るんだと、小学校卒業時の夢で書いていました。
水泳を始めてから思ったことは、いいところを伸ばすということですね。短所ばかり、悪いところばかりに目を向けないということです。私の家族もそうでしたが、指導者もとにかくいいところをどんどん伸ばすという指導で、とてもありがたかったです。コーチと出会って、一番初めに褒めてもらったのが、背の高さでした。生まれて初めて背の高さを褒めてもらい、初めて自分の武器だと思えました。
「お米プラス3色」信号の色を食卓に
生活の中で大事なリズムというのがあって、食べること、 寝ることは、大切にしていました。特に、私の母が食に対して、旬なものは旬のときにしっかり出して、この食材はあそこで作られて、こんな栄養があるということを、 ひとこと、ふたこと言ってくれました。それだけで食べる楽しさがありました。
栄養士さんからは、お米プラス3色、信号の色を取りなさいと言われていました。赤、黄色、緑で、 必ず食卓に並べてくださいと。 それは、栄養素の分もありますが、きれいな色を見ると、食欲が増すそうなのです。赤だったらトマト。簡単ですよね。プチトマトでもいいので。緑だったらホウレンソウ、ブロッコリーをゆでてもいいですし。
白いご飯も大好きです。試合の日には、必ず母のおむすびがありました。私が昔、海外遠征時には、チームでおむすびを頼んでくれました。現地の日本食屋さんにお願いして、おむすび100個とか。あとは総務の方やマネージャーの方が、炊飯器やお米を現地に持参し、ご飯を炊いて朝からおむすびを何十個、何百個と作ってくださって、練習前や試合のときに食べるということをしていました。
シドニーオリンピックのときに食べていたら、海外の選手が「ライスボール」「ライスボール」と言って珍しそうに見ていました。海外の選手の中にも、ライスボールを取り入れる選手もちらほらいたりします。だから今年、東京オリンピック・パラリンピックで、ライスボールが競技場にたくさんあるのではないかなと、想像しています。楽しみですね。
水に「ありがとう」の 気持ちを皆さんと共有
お米は、きれいな土地とお水と太陽と愛情があると育ちます。現役時代は、プールに水があることが当たり前だなということすら思うことなく、泳いでいました。現役をやめて山に登ったとき、水を山頂で確保するのが大変だということを含めて、山小屋の方がいろんな水の話をしてくださいました。そのときに、 たくさんの量の水の中で、きれいな水の中で泳げるということはすごく幸せなのだなということをあらためて感じました。この気持ちをどうにかみんなと共有したいと思い、「水ケーション」の活動を立ち上げました。
「水」 と 「コミュニケーション」「エデュケーション」、交流と教育という意味を掛けて「水ケーション」です。ひとことで言うと、水があるのが当たり前ではなくて、「ありがとう」という気持ちを皆さんと共有したいという気持ちでやらせていただいています。
「水ケーション」 の内容としては、森の授業で森の専門家に来ていただいて森が果たす役割であったり、森が育む水の話をしていただいた後に、水の時間をとっています。その中で私がプールで指導をする水泳教室というよりは、水と触れ合って遊ぶ時間という形でやっています。
今は子どもたちを対象にやっていますが、将来的には大人の方も一緒に巻き込んで、気持ちが共有できたらいいなと思っています。
東京オリンピック・パラリンピックを迎えるに当たって、子どもたちをはじめ、保護者の方や、たくさんの方にスポーツというものをもっと身近に感じてもらいたい。それは、スポーツをする、見る、支えるといった意味でも、みんながそれぞれの楽しみ方を経験してほしいなと思います。
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