農業者の所得増大に業務加工用野菜導入
JAいび川は第8次中期経営計画(平成28〜30年度)で、「農業者の所得増大」を基本目標の一つに掲げました。目標を実現するため、実需者ニーズに合う業務加工用野菜(キャベツ・タマネギ)の生産拡大や販売強化に取り組んできました。営農渉外担当者(TAC)による複合品目栽培提案、作業の省力化やコスト削減対策を実践しました。
専任のTAC職員を配置 他の部署と情報共有し対応
担い手農業者を訪問するため、28年度にTAC職員を1人専任としました。その後、「TAC職員が訪問し、さまざまな情報を提供してほしい」との農業者の要望を受け、30年度には4人に増員。訪問先で得た農業者のニーズを毎週開いているTACミーティングで、TAC職員だけでなく、融資や企画管理担当者など部署間で共有。業務加工用野菜の作付けについて提案し、栽培面積の拡大につなげたり、農業関係の助成金や農業関連融資などの情報を提供してきました。
農業者への訪問活動は、48経営体に延べ809回(28年度)から、265経営体に延べ2255回(30年度)に増えました。農業関連融資は融資案件50件、融資額1億5000万円(28年度)から、融資案件98件、融資額3億7000万円に増えました。
業務加工用野菜の栽培拡大には、作業の省力化やコスト削減も欠かせません。JAでは播種(はしゅ)機や収穫機の実演会を定期的に開き、機械活用による省力化や作業時間の短縮について説明し、機械導入による大規模栽培を推奨してきました。また、機械の購入費や維持費を削減するため、レンタルサービスも実施。機械の操縦について職員が指導するなど、多面的にサポートしてきました。
拡大する業務加工用野菜 新たにホウレンソウ導入へ
これらの活動で業務加工用野菜の栽培面積は、13㌶(28年度)から15㌶(30年度)に拡大しました。一方、労力と収入のバランス、土壌改良の必要性、水稲と栽培時期が重複するなどの課題もあります。第9次中期経営計画では令和3年度までに業務加工用野菜の栽培面積21㌶・販売金額4450万円を目標にしています。前述の課題を解決して目標を達成し、農業者の所得増大を実現するため、農閑期に栽培する新たな作物としてホウレンソウの試験栽培や、土壌整備を行う時に地下に空洞を形成することで排水性を高めるカットドレーンの作業受託を予定しています。
概要 | 平成31年3月31日現在 |
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正組合員数 | 8353人 |
准組合員数 | 6792人 |
職員数 | 288人 |
販売品取扱高 | 24億1千万円 |
購買品取扱高 | 26億9千万円 |
貯金残高 | 1570億3千万円 |
長期共済保有高 | 3485億3千万円 |
主な農畜産物 | 米・大豆・茶・柿・イチゴ・梅など |