ドローン貸し出しや 農地相談で農業振興へ
JA広島中央は広島県の中央に位置し、県下でも数少ない人口が増加している地域で、稲作が中心です。管内の東広島市西条は酒都と称され、酒造好適米の「山田錦」も栽培しています。
小規模の農地集積し 防除作業委託を計画
JAは、地域農業の振興を図るために、農薬散布用ドローン(小型無人飛行機)を導入し、平成29年4月から、集落営農法人や担い手に貸し出しています。JAが貸し出して共同利用することで担い手の負担を減らし、経営の安定化につなげていきます。
平成29年度は、6法人と担い手2人が契約。ドローンを使った防除の合計面積は214㌶で、水稲と麦の防除に使用し、最盛期には、1日平均7㌶を防除しました。JAが利用団体に実施したアンケートでは、防除効果も十分で、省力化にも担い手の労力が軽減できると高い評価を得ました。また、コストについては、数字で示した4団体を集計すると平均4割減少できました。
JAは、産業用マルチローターオペレーター技能認定の受講を斡旋する他、飛行に必要な申請手続きも支援しています。平成30年度は小規模な農地をJAが取りまとめ、法人のオペレーターに防除作業を委託する事業を始める計画です。
本・支所連携し相談・支援 相続、農地利用などに対応
JAは全11支店で、農地の相続や農業の事業継承の相談、支援を行っています。相続後も農地が維持されることで耕作放棄地の解消につなげます。相続時には従来の貯金、共済、出資、購買などの手続きに加え、農業継続・農地利用についても聞き取り、「相続相談管理表」で管理しています。
相続の相談窓口である支店と本店の相続相談センターが連携し、相続人の要望に合わせて各部署が対応します。具体的には、農地の転用・売却を希望する場合などは、不動産を扱う農住開発課が対応し、農業機械については、農機センターが受け持ちます。農作業を一部委託したい場合は、農業者受託マッチング事業を行っている営農支援センターが受託者を紹介します。農地を貸す場合は、各グリーンセンターが近隣の担い手に耕作依頼などを行うか、営農支援センターが農地中間管理機構や農業委員会と連携して対応します。
概要 | 平成29年3月31日現在 |
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正組合員数 | 1万8173人 |
准組合員数 | 1万3982人 |
職員数 | 378人 |
販売品取扱高 | 27億円 |
購買品取扱高 | 21億7千万円 |
貯金残高 | 1708億9千万円 |
長期共済保有高 | 5396億4千万円 |
主な農産物 | 米、アスパラガス、ナス、ピーマン、白ネギ、西条柿 |