農機レンタル事業を展開 組合員の要望受け機種拡大
JA信州諏訪は直売所出荷者や兼業農家といった多様な担い手への支援、そして施設園芸などに新規で取り組む農家の農機購入にかかる費用の負担軽減を目的に「農機レンタル事業」を行っています。
順次機種を追加 組合員の要望に対応
同事業は農業所得増大に向けた自己改革のひとつとして、2016年7月にスタート。当初は耕運機・管理機、刈り払い機だけを扱っていましたが、組合員の要望を聴きながら順次機種を増やしてきました。
現在はトラクター6台、耕運機・管理機12台、刈り払い機6台、わら切りカッター2台、ハンマーナイフモア2台、ウッドチッパー1台を営農センターや農機センターから貸し出しています。
機種の選定は地域の実態を考慮。市街地のセンターにある耕運機は家庭菜園での利用を想定し、乗用車に積める小型タイプを用意。また、諏訪市の湖南農機センターのトラクターは、湿田の多い地域性を考慮し、ぬかるんだ水田でも高い駆動力を発揮する「クローラ」タイプとしています。
JA共済の助成金活用 格安でのレンタル実現
農機の導入はJA共済の「地域・農業活性化促進助成金」を活用。レンタル料はトラクターを1日使っても1万円(税込み)と低価格。刈り払い機は貸し出すたびに新しい刃に付け替えますが、料金は1日1000円(同)としています。金融・共済・営農などの各部門が連携し、補完し合って事業運営を行う「JAだからこそ」実現できた料金設定です。
2018年4月に富士見町で新規就農した野菜農家の小林実さん(42)は、ブロッコリー畑の耕起に、年10回ほどトラクターをレンタルしています。
「将来は農機を自分で購入したい」と抱負を語る小林さんですが、「数百万円のトラクターを購入することを考えれば、経済的な負担が少なくありがたい。資金計画が定まり、経営が安定するまでレンタル事業を活用したい」と同事業に期待を寄せています。
概要 | 平成31年2月28日現在 |
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正組合員数 | 9626人 |
准組合員数 | 1万2978人 |
職員数 | 609人 |
販売品取扱高 | 92億1千万円 |
購買品取扱高 | 78億6千万円 |
貯金残高 | 2660億2千万円 |
長期共済保有高 | 6872億9千万円 |
主な農畜産物 | セルリー、ブロッコリー、パセリ、キャベツ、カーネーション、トルコギキョウ、菊、スターチスなど |