子会社が青ネギ産地後押し 新規就農者を継続的に育成
JA伊勢は2012年4月、主力農産物である青ネギの生産量拡大と新規就農者の育成を目的に、JA100%出資の子会社「株式会社あぐりん伊勢」を設立しました。
会社は、社員12人(うちJAから出向3人、研修社員2人、パート7人)、売上高5382万3千円(2017年度)で、主な経営作物は青ネギ7㌶、スナップエンドウ20㌃、水稲受委託20㌶、2018年度からイチゴ10㌃を栽培しています。
特に新規就農者の育成に力を入れ、2017年度末までに研修課程を修了した7人が就農し、今年度末にも1人が就農予定です。彼らのほとんどは非農家の出身ですが、「青ねぎ部会」の一員として頑張っています。
会社設立による効果
①生産数量の拡大と新規就農者の輩出
あぐりん伊勢が設立された当時は、高齢化で「青ねぎ部会」の部会員数が年々減少し、生産数量の減少が著しい状況でした。
そうした中、あぐりん伊勢が生産量を下支えし、現在では部会に占める出荷割合は1割を超えるまでになりました。また、あぐりん伊勢の卒業生が部会に加入したことで、部会員の若返りが図られています。
②営農指導力の強化
あぐりん伊勢の主要方針に「新技術の実証」を掲げており、毎年、さまざまな栽培試験を行っています。
青ネギでは、被害株などの刈り倒し再伸長栽培試験や、厳冬期のトンネル栽培による生育比較試験などを行い、試験で好結果が得られたトンネル栽培については、今年度から多くの部会員も取り組んでいます。
イチゴでは、空ガラス温室を活用した低コスト栽培や、耐候性ビニールハウスによる栽培、新品種「よつぼし」の栽培試験などを行っています。
また、実際に農業に従事する社員が部会員に栽培の助言を行うことで、部会員からの信頼度も上がっています。
今後の目標
変化の激しい農業生産の現場は、現状維持の考えでは変化に取り残されてしまいます。子会社が先頭に立って、これまで行ってこなかったような「手段」や「業態」に、積極的にチャレンジしていくことが重要です。
そのためにも経営基盤を安定させ、人材の育成にも積極的に取り組み、地域から必要とされる会社を目指し取り組んでいきたいと考えています。
概要 | 平成30年3月31日現在 |
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正組合員数 | 1万4193人 |
准組合員数 | 1万3584人 |
職員数 | 627人 |
販売品取扱高 | 45億6千万円 |
購買品取扱高 | 46億6千万円 |
貯金残高 | 3083億7千万円 |
長期共済保有高 | 7133億3千万円 |
主な農畜産物 | 米、青ネギ、イチゴ、花き、畜産、茶など |