平成29年度からTACの中堅職員対象に作物栽培総合技術研修
実習交え担い手の営農相談・経営相談に迅速に対処できる担当者を育成
全農は、地域農業の担い手に出向くJA担当者(TAC)の中堅職員を対象に、「作物栽培総合技術研修」を開きました。平成29年度からスタートした同研修会は、実習を交えたカリキュラム内容となっています。研修を通じて、園芸振興における担い手の営農相談・経営相談に迅速に対処できる担当者の育成を目指しています。
作物栽培総合技術研修は、総合研修(必須科目)と研修生が学びたい作物群から選択する作物別研修(選択科目)のカリキュラムとなります(図参照)。研修定員は、10人までの少人数制となるため、講師を担当する全農職員と研修生との交流や意見交換が進みやすい環境となります。29年度は4人、30年度は2人のTACが受講し、担い手に提案できる実践的な研修であると好評を得ています。
今年1月28日~2月1日(5日間)で開催した総合研修(第2クール)では、①園芸作物の栽培基本技術(病害虫現物鑑定など)、②トマトの栽培管理・収穫作業、③土壌硬度計や貫入式硬度計を用いた土壌断面調査、④土中点滴灌水(かんすい)による冬春玉ねぎ栽培技術、⑤自主研究の成果発表会を行いました。
自主研究の成果発表会は、研修生2人の発表から研修の手応えや自信が伝わってくる内容でした。JAみやぎ仙南の鈴木TACは、課題であるタマネギの分球対策について「研修で得た知見やネットワークを生かして担い手提案につなげたい。JA内外の連携を高めていく」とし、群馬県JAはぐくみの佐藤TACは、土壌診断の重要性に触れ、「施肥提案に自信がつき、イチゴ生産者とナス生産者のJA利用につながった」と具体的な活動成果の報告もありました。
昨年度と今年度の研修修了者からは、研修生同士の定期的な情報交換の場やフォロー研修の開催希望も多く寄せられています。
全農は、次年度も引き続きTACのレベルアップに資する同研修を実施する予定で、4月に開催案内を発信する予定です。研修会の受講をぜひともよろしくお願いします。