緑肥で地球に優しい米作り 加工品開発、食農教育にも一役
JAあかしは兵庫県明石市の一部を管轄とし、五つの支店、三つの農産物直売所、一つのJA全農Aコープ(株)との共同運営店舗を展開しています。都市化が進む明石市で人と自然、さらに農業と地域社会の共存を大切にした総合事業の運営を目指しています。
ブランド米「花美人」 温室効果ガス削減三つ星
「ヘアリーベッチを使ったブランド米を作りたい」。それが「花美人」誕生のきっかけでした。ヘアリーベッチとは、マメ科の一年草で土に混ぜることで緑肥(りょくひ)になります。「花美人」の生産を担うのは、江井島地区にある東江井地区営農組合と西江井地区営農組合の生産者21人で、栽培面積は合わせて約13haです。
「花美人」の特徴は、その栽培方法です。ヘアリーベッチを裁断して土に混ぜることで、化学肥料をほとんど使わず水稲栽培が可能となります。従来の稲作と比較して温室効果ガスの排出量を半分以下に抑え、削減率55 %(10a当たり)を達成。農林水産省の「温室効果ガス削減見える化実証」で最大評価の★三つを獲得しました。
使用農薬量にも制限があり経費も抑えられることから、生産者は「花美人」のことを「ロー・コスト・ライス」と呼ぶこともあるなど、生産者、お米を食べる人、そして地球にも優しいお米です。
米の“魅力”伝えて 出前講座、給食、米粉も
「花美人」を販売する中で課題として、「花美人の“魅力” が伝わっていないこと」がありました。そこで今年度は、行政・教育機関と連携した食農教育と加工品の商品開発に取り組みました。
食農教育では、子どもたちに食と農への関心を高めてもらうため小学校5校と保育園14園で出前講座を実施し、保護者へのPRも実施しました。さらに、市内学校給食で年3回実施された「有機・地産地消給食の日」での「花美人」の提供や、地元の高校生が開発した「花美人」の米粉を使った「塩フィナンシェ」を明石サービスエリアで販売することで、明石市から魅力的な農産物を広く発信する取り組みも行っています。
JAあかし(兵庫県)

概要 |
2024年3月31日現在 |
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正組合員数 | 1354人 |
准組合員数 | 9255人 |
職員数 | 90人 |
販売品取扱高 | 1億2千万円 |
購買品取扱高 | 8千万円 |
貯金残高 | 1873億7千万円 |
長期共済保有高 | 1113億6千万円 |
主な農畜産物 |
米、野菜 |