令和6年度 全農の主な取り組み[ 第1回 ]
事業部ごとに主な取り組みを紹介します(全3回)。
営業開発部
商品を通じて産地を応援 ニッポンエールプロジェクト
営業開発部は、カテゴリーの異なる食品メーカーが同じテーマで商品を開発・販売することで産地を応援する「ニッポンエールプロジェクト協議会」の取り組みをすすめており、令和6年秋は第4弾として「沖縄県産黒糖」をテーマに展開しました。
沖縄県では、不安定な水資源、台風や干ばつなどの特殊な気候条件から県内の7割がサトウキビを生産しています。特に生産規模の小さな離島では、各島にある製糖工場で加工される黒糖生産が地域産業の主体となっていることから、黒糖の需要を維持することが離島の生産者のくらしを守ることにつながります。
協議会に参画する食品メーカーが商品を通じて黒糖の消費拡大と産地応援に取り組み、JAおきなわや生産者からも取り組みを高く評価する声が聞かれました。4月には第5弾「瀬戸内広島レモン」をテーマとした商品を発売する予定です。
輸出対策部
青果物の輸出拡大へ 現地規制やニーズに対応
輸出対策部は、昨年度から青果物の輸出拡大に向けた輸出産地づくりの取り組みを進めています。
畜産物や米については輸出産地としての位置付けが明確になっていますが、青果物の輸出専用産地は少なく、国内向けに生産された青果物が市場経由で海外に輸出される事例が多いのが現状です。
その結果、海外現地の輸入規制に違反し破棄されたり、日本産同士で価格競争に陥ったりするなどの課題が生じています。全農はこうした青果物の輸出課題を解決するために、現地の輸入規制やニーズに対応した輸出産地づくりを進めています。
今年度はJA全農インターナショナル(株)と5県域が連携し、産地からの計画的な仕入れや国内物流コストの削減、海外バイヤーの招聘(しょうへい)などを通じて、輸出拡大に取り組みました。
全農は、今後も輸出を通じて生産基盤の維持・拡大と生産者の所得拡大を目指します。
園芸部
青果物の共同配送事業 北九州SPでスタート
園芸部は、令和6年4月から強化されたドライバー労働時間の規制への対応や、九州産青果物の物流効率の向上を目的に、北九州中央卸売市場内の冷蔵施設を活用した北九州ストックポイント(以下:北九州SP)の設置・運用を開始しました。
北九州SPでは九州産の青果物を集約し、京浜・阪神地区など消費地向けに共同配送することで、荷下ろし箇所数の削減などによるドライバー拘束時間の削減やトラック積載率の向上を図るとともに、フェリーを活用したモーダルシフト輸送やパレット輸送の拡大にも取り組んでいます。
また、同様の物流課題を抱える本州産地から九州卸売市場向け出荷の配送拠点としての機能を今後発揮していくため、本州の複数県域との協議も進めています。
引き続き、全国の産地を対象に共同配送の取り組みを推進し、より一層の青果物物流全体の効率化を目指します。