究極の安全と高品質を目指して
菌床しいたけイノベーションセンター
福島県本部は東日本大震災後、放射性物質抑制対策の試験・検証を行いながら、安全なシイタケ生産技術の確立と県内のシイタケ産業の発展、生産量の回復に取り組んでいます。
産地存亡の危機から再生 独自の栽培確立・普及へ
福島県産菌床シイタケは、原発事故の影響による販売価格低迷や生産コストの上昇などにより生産量が激減し、産地存亡の危機的状況が続いていました。
生産量の回復と拡大を実現するために、天候に左右されない空調栽培施設の導入による品質・収量のアップや生産者段階での作業の省力化、放射性物質抑制対策など、県独自の栽培技術の確立・普及が不可欠でした。
そこで、菌床シイタケの生産振興と生産者手取り向上を目指し、2018年に県本部自らが栽培技術を確立・普及するとともに、放射性物質抑制対策済み菌床の供給を行う「菌床しいたけイノベーションセンター」を設置しました。
「愛情しいたけ」デビュー 厳しい栽培条件、検査徹底
おがくずなどを使用した菌床から生産されるのが菌床シイタケです。安全対策として、菌床には放射性物質の吸収を抑える鉱物であるゼオライトを混合しています。さらに、複数回の検査と栽培条件を満たしたシイタケだけを「愛情しいたけ」として出荷しています。
「菌床しいたけイノベーションセンター」のコンセプトは次のとおりです。
1.技術の確立と普及:高品質・高収量の技術を確立し、普及することで周年安定販売を実現
2.菌床供給:生産者の菌床づくりを省力化するため、菌床供給の実施
3.栽培実習の受け入れ:新規で栽培を始めたい方、後継者の育成のための研修受け入れの実施
4.簡易空調ハウス賃貸:施設初期投資を軽減し、安易栽培を行うため、簡易空調ハウス賃貸事業の実施
県本部は、「菌床しいたけイノベーションセンター」を実践型・実証施設として、菌床シイタケ栽培を行う生産者の生産から販売まで一貫してサポートし、今後も安全・安心でおいしいシイタケを消費者に届けます。