特集

特集
総合企画部

ゼノベーターからの メッセージ 3

ドローンを核とした新しい米生産支援事業の展開
   本所 耕種総合対策部 阿部浩人さん

ベンチャー企業への出資から始まったプロジェクト
ドローンを点検する耕種総合対策部の阿部さん㊧

 平成29年10月、優れた飛行性能を持つ全自動飛行ドローンと、AIを活用した生育診断システムなどを開発するベンチャー企業㈱ナイルワークスに全農が出資し、プロジェクトが始まりました。ドローンを活用した新たな取り組みには他部門の協力が不可欠と考え、メンバーには当部のほか、生産資材部、肥料農薬部にも参画してもらい、当時募集していた平成29年度新規事業提案制度に応募し、採択されました。

 農業分野でのドローン活用と言えば農薬散布が一般的ですが、プロジェクトではナイルワークスドローンの生育診断クラウドサービス機能などを活用し、全農が圃場(ほじょう)管理から品種、育苗・田植え、栽培管理、施肥・防除、収穫、乾燥・調製、販売までをトータルで提案する「米生産システム」を農業者に提供するという目標に向かって取り組んでいます。

自動飛行ドローンの可能性と検討状況

 ナイルワークスのドローンは、事前に測量した圃場内を、数センチ単位の高い精度で自動飛行できることが最大の特長です。これにより操縦者は飛行中タブレットを持ち、ドローンを監視するだけで済むため、労働力不足や熟練不足をカバーできる技術として期待されています。また、ドローンに装備された複数のカメラを使って水稲の生育判断や収量予測の開発も進められています。

 現在のプロジェクトではこうした可能性をメンバーと共有しながら、自動飛行ドローンを巡る法令やルールについての課題を整理したり、農業者が安全に使用できる機体の提供、教習や保守体制の整備など全農による今後の対応策について協議しています。

活用が期待される自動飛行ドローン
目標に向けた道のりはまだ1~2合目

 われわれのプロジェクトは発足からまだ1年足らずで、道半ばにあります。すでに完成された資材や技術の現場普及とは違い、プロジェクト参画部署の協力を得ながら、ゼロベースからの積み上げによる事業の仕組み作りも必要となります。非農業系ベンチャー企業がパートナーだと、従来の“全農のやり方”は通用しないことを痛感する日々ですが、新たに学ぶことも少なくありません。今年のZennovationでは、新たにピッチ・コンテストが開催され、審査や投票結果に基づく表彰も行われますので、こうしたチャンスを積極的に活用することをお勧めします。(おわり)

 

カテゴリー最新記事

ページトップへ