ゼノベーターからの メッセージ 2
東北~TOHOKU~ブランドの確立
「産地間協力」をキーワードとした新販売戦略の提案について
岩手県本部 佐々木 章さん (全農東北プロジェクト)
東北6県本部の連携強化でブランド力と販売力強化へ
本プロジェクトは、平成26年度新規事業提案制度で採択され、東北6県本部の連携強化を通じ「東北産農畜産物のブランド力と販売力強化」を図る枠組みを構築するため、27年度から全農本所と県本部でプロジェクトチームを組成し、取り組みを進めてきました。
国内市場が縮小する中、生産者の所得向上により貢献するためには、新たな販売戦略の構築が必要ではないかと考えたのが提案のきっかけです。当時、東北楽天イーグルスが東北6県からファンを獲得したことや、各県の祭り(仙台七夕祭り、青森ねぶた祭りなど)が東北六魂祭として一都市に集約した事例もあり、東北6県本部が互いに協力することで、「スケール」と「多様性」を強みとした販売戦略の選択が可能となり、これまでとは違う層に「東北」ブランドという新たな興味を誘発できる可能性があると考えました。
プロジェクトがどのポジションで機能を発揮するか見極めに苦労
立ち上げ当初は、本プロジェクトがどのポジションで機能を発揮するか、見極めに相当苦労しました。そのため、平成28年度からの2年間は仮説・実証を行い、次の場面で「東北」という枠組みが優位性を発揮すると確認できました。
①「東北」という冠で農畜産物の付加価値販売に取り組む事業者のサポート
(例:「東北和牛」ブランド化支援)
②広域で事業を展開したい異業種との連携
(例:JR東日本グループとの催事開催・商品開発、東北の7新聞社と東北の魅力発信)
③“売れる商品開発”といった新規事業領域
(例:食品卸と連携した加工品開発)
30年度からは、プロジェクト体制から専任担当者(1人)の配置体制になり、枠組み構築に一歩前進したと手応えを得ています。
新たな0.1をカタチにしようと踏みこむ勇気と努力を
新規事業について検討を開始すると、既存事業領域に近い案件は「すでに実施している」「過去に断念した」といった壁にぶつかり、既存事業領域から離れた案件では「全農グループとして取り組む事業なのか」「実現性に乏しい」といったジレンマに陥りがちです。
本年度のZennovationのテーマは「全農×ANY」であり、前述の「実現性」という課題は、異業種とのコラボレーションなどで解決の糸口を見いだせると思います。
「ゼロに何をかけてもゼロ」です。
新たな0.1をカタチにしようと踏みこむ勇気と努力はとても尊いものであり、たとえカタチにならなくても、そのプロセスで得た知識、人脈、気づきは、今後のあなたのビジネスライフの幅を広げる一助になると思います。
数多くの提案、アイデアが今年も創造されることを強く期待しています。