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JA湘南 (神奈川県)

「種なしピーマン」産地化目指す 切り戻し栽培で農家所得向上へ

 神奈川県のJA湘南は平塚市、伊勢原市、大磯町、二宮町の2市2町を事業区域に活動しています。東京・横浜などの大消費地に近く、米をはじめ、キュウリ、トマトなどの施設野菜やネギ、タマネギなどの露地野菜、梨やブドウなどの果物が盛んに栽培されています。


果実の中に種が無く付加価値高いピーマン

 近年、県産ハウストマトは、主産県の供給量増加の影響で市場価格が低迷しています。こうした現状を踏まえ、JAは4年前から「種なしピーマン」の栽培を推奨してきました。種なしピーマンは、種を取る手間が無いため、付加価値が高く、市場からも期待されています。 

 JAは、安定出荷することで、農家所得向上を図りたいと考えており、今年は県内5市場へ約13tの出荷を計画しています。

肉厚でみずみずしく苦みが少ない「種なしピーマン」
「切り戻し栽培」でコスト削減・安定供給

 また、2年ほど前からは、一部の生産者が主枝を切り、側芽を伸ばして新しい主枝にすることで、再びピーマンの収穫を可能にする「切り戻し栽培」を行っています。

 苗代を抑えられるため、コスト削減になり、植え替える手間も省けます。通常の出荷シーズンが終わった10月下旬〜12月下旬の収穫が可能となり、さらなる農家所得の向上が見込めます。

切り戻し栽培で育てた種なしピーマンを収穫する生産者の近藤剛司さん
産地化へ出荷組合を設立情報共有し仲間づくりも

 JAは2022年に「JA種なしピーマン出荷組合」を設立し、現在5戸の生産者が所属しています。定期的な圃場(ほじょう)巡回に加え、適切な施肥、病害虫対策などの情報を共有し、生産者をサポートしています。花きやトマト生産者に積極的に声かけを行うなどして、生産者を増やす取り組みも行っています。今後も、JA、生産者が一体となって種なしピーマンの産地化を目指します。

切り戻しが行われた株

JA湘南(神奈川県)

概要

2024年2月末現在

正組合員数 5755人
准組合員数 2万2983人
職員数 477人
販売品取扱高 32億円
購買品取扱高 47億円
貯金残高 4708億円
長期共済保有高 8358億円
主な農畜産物

米、キュウリ、トマト、ネギ、タマネギ、梨、ブドウ

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