自己改革は計画どおりに進捗(しんちょく)
平成29年3月に組織決定した「農林水産業・地域の活力創造プラン」に 係る本会の取り組みの現時点の状況は、計画どおり進捗しています。
1.生産資材事業
1 肥料事業
●肥料の共同購入では、高度化成・NK化成肥料の一般銘柄について、従来の全国400銘柄を17銘柄に絞り込み、29肥料年度春肥では、例年の対象銘柄の実績をほぼカバーする7万㌧を超える予約数量を積み上げ。30肥料年度秋肥からは、新たに「普通化成一般」と「苦土入り高度化成」を対象品目に加え、全国約550銘柄を25銘柄に集約。
●29肥料年度春肥では、入札によりメーカー数を14社33工場から8社13工場に削減、銘柄当たりの生産数量を約250㌧から約4000㌧に拡大し、製造固定費を引き下げ。供給範囲も全国一律からブロック単位に変更し、配送コストを圧縮。これらの結果、おおむね1~3割の価格引き下げを実現。
2 農薬事業
●ジェネリック農薬は、開発候補剤を絞り込み、1剤目を開発中。
●水稲除草剤は、29年度は約100品目削減し、約340品目へ集約。
●農薬担い手直送規格は、通常規格と比較しおおむね2~3割の価格引き下げを実現。28年度実績2・1万㌶から大幅に伸長し、29年度は5・3万㌶へ拡大。
3 農業機械事業
●低価格モデル農機の共同購入では、国内メーカー4社に対し生産者の声を反映したトラクター(60馬力クラス)の開発を29年9月に要求。 全国目標台数1000台(30~32年)とし、共同購入を希望する生産者から事前申し込みを取りまとめ、積み上げた台数を背景に30年6月に入札により購入トラクターを決定。標準的な4社同クラスと比較し、概ね2~3割の価格引き下げを実現。
●大型コンバインシェアリースチーム(収穫時期が異なる4~5人程度の生産者を1チームとして1台の機械を共同利用)では、29年度に10チーム(37経営体)組成。利用結果は、565日/10台(1経営体当たり約15日・15㌶)となり、購入した場合と比較し2割程度のコスト低減を実現。
4 段ボール事業
●段ボールの共同購入では、標準パレット寸法などを基準に、3品目(タマネギ、サトイモ、ピーマン)の全国標準段ボール箱規格(44規格)を設定。対象245JAのうち、106JAが購入意向を示し、年間約300万ケース分の積上数量に基づき、ブロック別・品目別見積もり合わせを29年10月に実施し、基本価格条件を決定。
●30年3月から3品目の全国標準段ボール箱の出荷を開始。3品目で約1400ある規格を県域独自の規格集約と合わせて、約3割程度削減の見込み。
5 飼料事業
●JA西日本くみあい飼料㈱では29年6月から倉敷新工場が稼働、9月に水島工場、30年3月に神戸工場の製造移管が完了し、現在、坂出工場の製造移管を実施中。
●製造数量が月間10㌧以下の小ロット銘柄について、約500銘柄(28年4~6月期)から29年度は約340銘柄まで集約。
●米国では全農グレイン㈱の原料船積能力を増強(年間1900万㌧、現行比550万㌧増)し、30年4月から稼働するとともに、穀物集荷を担うCGB社の内陸の集荷拠点の拡充を実施中。
2.販売事業
1 米穀事業
●29年産米は、直接販売102万㌧(計画100万㌧)、買取販売36万㌧(計画30万㌧)と、計画を達成見込み。30年産米では、直接販売計画125万㌧、買取販売計画50万㌧の達成を目指す。
●29年3月の㈱スシローグローバルホールディングスへの出資に続き、29年10月、木徳神糧㈱と業務提携契約を締結、30年4月に出資。30年7月、佐藤食品工業㈱と資本業務提携の合意、8月に出資。
●需要に応じた生産と安定的取引拡大のため、実需者ニーズに基づく多収品種などの作付提案・契約栽培の拡大を重点的かつ速やかに進めていくとともに、実需者を明確にした事前契約(播種(はしゅ)前・複数年契約など)の拡大に取り組む。
2 園芸事業
●29年度の直接販売実績は3243億円(計画3200億円、前年比106%)と、計画を達成した。30年度は直接販売計画3300億円の達成を目指す。
●生産面においては、輸入野菜の国産への置き換えを目的に、キャベツ、レタス、ブロッコリーなど加工・業務用野菜を中心とした生産振興に取り組むとともに、パートナー企業と連携した収穫支援など農業労働力支援の取り組みを拡大する。
●30年3月に、デリカフーズホールディングス㈱、カネマサ流通グループ、エム・ヴイ・エム商事㈱との業務提携契約を締結。3社との国内契約産地づくり、物流合理化、共同商品開発などに取り組む。
3.輸出事業
●29年度JAグループの輸出実績は160億円(計画174億円、前年124億円)となり、計画比は92%と計画未達となったものの、前年比は129%と、前年を上回った。
●輸出障壁が低く、伸長が見込める重点輸出国7カ国・地域(香港、シンガポール、タイ、英国(欧州)、中国、台湾、米国)を設定。米国、英国、シンガポールに続き、30年4月に全農香港事務所を開設、8月には台湾でも事務所を開設した。
●国内産地づくりについては、30年度に輸出用低コスト多収穫米実証圃(じっしょうほ)を100㌶設置、青果物の輸出用産地を8カ所開拓することを目標として取り組みを進める。