ゼノベーターからの メッセージ 1
新規事業提案制度は、2022年の全農創立50周年に向けた記念プロジェクト「Zennovation 2018-2022(Zennoh Innovation Challenge)」として今年から5カ年プロジェクトになります! Zennovationは、これまでの事業・歴代の先輩方に感謝しながら、これからの50年に向け、未来の地域社会と農業に、私たちがつなぐものは何か全員で考え、未来へつないでいくプロジェクトです。新規事業提案制度を通じてこれまで全農グループ内でイノベーションを起こした職員に、事業内容や提案当時について話してもらいました。
過酢酸製剤の製造・販売について 本所広報部 落合 成年さん
新規に認可の食品添加物「過酢酸製剤」販売事業化
私たちのプロジェクトは平成26年の夏に立ち上がりました。内容は新規に認可される食品添加物「過酢酸製剤」の販売事業化、というものです。メンバーはJA全農ミートフーズ㈱(菊池)、営農・技術センター(菅原)、家畜衛生研究所(落合)という構成で、事務局は事業開発課(黒崎)、当初より一部上場企業である小津産業㈱とそのパートナーの米国企業、エンビロテックケミカルサービスCo.が参画していました。
※所属は全て提案当時
急速に進む過酢酸製剤への切り替えに対応が急務に
生鮮品の品質・鮮度保持は、業界にとって極めて重要な問題であり、全農にとっても大きな関心事です。特に食品添加物仕様の殺菌剤は日本では次亜塩素酸ソーダが中心ですが、有機物への接触による不活性化の問題や、塩素の発がん性の問題もあり米国を中心に過酢酸製剤への切り替えが急速に広がりました。26年4月に厚労省が同製剤の認可審査を開始したのを機に、将来のわが国の生鮮品殺菌剤市場が大きく変わる可能性に鑑み、いち早く状況に対応するためにプロジェクトを立ち上げ事業化を模索しました。
部門横断の大プロジェクト 29年3月に新会社立ち上げ
幸い、それぞれの所属部署が本プロジェクトを支持してくれたため、提案はスムーズに行えました。対象品目が多岐に及ぶことから、生活リテール部、畜産生産部、園芸部、肥料農薬部、JA全農青果センター㈱、生産資材部など当初メンバー以外の部門横断の拡大プロジェクトが出来上がりました。延べ60回近いミーティングや全国各地のブロイラー処理施設、選果場、公的試験場での試験や意見交換を行いました。これだけ多くの部門が直接関わる仕事ができたことは意味がありとても良かったと思います。事業化の際は外国会社との合弁事業にも手慣れた畜産生産部にご尽力いただき、何とか認可(28年10月)、半年後の29年3月に新会社を立ち上げました。
提案制度は役員からの「権限付与」ぜひ活用を
提案制度は、いわば役員からの「権限付与」のようなものですので、大いに活用していただければと思います。外部の会社は企業風土が違います。付き合うときは「全農的」なものは心に秘めて、ビジネスパートナーとして逃げずに辛抱強く付き合っていく覚悟が要りますね。