ごあいさつ

ごあいさつ

五つの視点をしっかり自覚し ひとつずつ、そして一歩ずつ

代表理事理事長 桑田 義文

 7月30日開催の経営管理委員会において、代表理事理事長に選任いただきました桑田義文です。就任にあたり、ごあいさつと所信を申し述べます。

 はじめに、能登半島地震や秋田・山形の豪雨など、自然災害が相次いで発生しております。犠牲になられた皆さまに哀悼の意を表しますとともに、被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。全農は被災者の皆さまに寄り添い、復旧・復興にむけた支援をおこなってまいります。

 令和6年度は、今次中期計画の最終年度であり、役職員一同六つの全体戦略ごとに総仕上げに取り組み、成果をあげつつあります。

 生産振興では、効率的な営農管理システムや国内地域資源を活用した肥料の普及、米の多収性品種の育成をすすめました。

 食農バリューチェーンの構築では、米や青果のモーダルシフト、青果物の中継輸送、他企業との共同配送、JAグループの原材料を使った商品開発がすすんでいます。

 また、海外事業展開では、国の肥料備蓄事業への参画により安定供給機能はより確かなものになる一方、米・畜産物・青果物の輸出の拡大基調を維持することができました。

 地域共生・地域活性化では、自家消費型太陽光発電やJAでんきの普及がすすみ、エネルギー供給基盤が強化されました。

 そして、環境問題など社会的課題への対応では、環境調和型農業の実現にむけて、資材や生産技術を体系化したグリーンメニューの実践をすすめています。

 さらにJAグループ・全農グループの最適な事業体制の構築では、会員JAと組合員への対応力強化にむけて、エーコープ会社や飼料会社を再編しました。

 一方収支は、会員JAの利用結集のおかげをもちまして、取扱高は4兆9348億円(計画比102%、前年比100%)、事業利益41億円、当期利益189億円を確保、出資配当は計画に2%上乗せした4%とし、利用高配当を41億円とすることを、総代会でご承認いただいたところです。

 これらの成果は、ひとえに会員JAの利用結集の賜物(たまもの)であり、心より感謝申し上げます。

 去る5月29日、食料・農業・農村基本法が改正されました。資材価格の高止まりが長期化し、適正な価格形成が強く求められるこの時期に、全農はJAグループの一員として、国や全中と連携して改正基本法が示す姿の実現に全力を尽くす所存です。

 現在、令和7年度からはじまる次期中期計画の策定にむけて、全農内で議論をすすめていますが、改正基本法の精神を反映させるとともに、全農グループの役職員ひとりひとりが、2030年に向けて次の五つの視点をしっかり自覚し、事業に向き合ってまいります。

 第一に「接点強化」。会員JA・生産者・お取引先との接点を強化、よく会話し、求められるニーズを正しく把握、すみやかな対応を心がけます。

 第二に「つながる」。人口減少にともない需要が減少する中、不足する機能は積極的にグループ内外とつながり補完します。

 第三に「競争力強化」。原料調達力・販売力に加え、技術・商品開発力・インフラ力など、価格だけではない付加価値により競争力を高めます。

 第四に「人材の創造」。グループ内の人材交流、有用な経験・技術をもつ職員の中途採用などにより、多様で厚みのある人づくりをすすめます。

 第五に「経営確立」。既存事業・施設の収支改善、厳格な投資選別、事業撤退の判断をすすめ、増嵩(ぞうすう)するインフラやシスム投資、M&Aに備えます。

 どれをとっても容易なことではありません。ひとつずつ、そして一歩ずつ取り組みます。会員JAと生産者、そしてお取引先からも、全農は“なくてはならない組織”だと言っていただけるよう努力してまいります。

 引き続き、皆さまのご指導を心よりお願い申し上げます。

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