全農グループ会社探訪

全農グループ会社探訪
広報・調査部

【全農グループ 会社探訪】全農サイロ株式会社

入庫から配送までのサイロビジネス 穀物物流の合理化、コスト低減へ

 全農サイロ(株)は穀物類の入庫から保管、品質管理、出庫、配送までを一元化させたサイロビジネスを構築することにより、穀物物流の合理化や、コストの低減に努めています。


 

 

 

 社名にもある「サイロ」とは、穀物などを貯蔵する巨大な倉庫のことです。全農サイロで所有する最大のサイロは、1本当たり直径7m・高さ40m(ビル14階相当)になり、トウモロコシ換算で約1700t貯蔵できます。

 各支店で大小さまざまなサイロを所有し、最大規模を誇る鹿島支店(茨城県神栖市)には326本のサイロを有しています。

日本の穀物輸入総量の2割を荷揚げ・保管

 全農サイロは、1968年に設立された神戸サイロ(株)を原点とする、トウモロコシ・大豆・麦など年間約500万t(日本の穀物輸入総量2500万tの約20%)を荷揚げ・保管・出荷する物流会社です。

 安定した設備の確保・供給のため全国6カ所(釧路、鹿島、新潟、東海、倉敷、志布志)の港湾に支店を所有しています。飼料原料を中心に食料油・コーンスターチ・小麦粉・ウイスキーの原料も取り扱うなど、全農グループの中で、海外から日本までの穀物サプライチェーンの主要会社として、安定的な畜産物・食品生産に貢献しています。

 近年では、旧JA西日本くみあい飼料(株)(現:JA全農くみあい飼料(株))と(株)J-オイルミルズと共同で、支店を兵庫県神戸市から岡山県倉敷市の玉島ハーバーアイランドに移転し、17年に倉敷支店を開設しました。21年には、子会社の旧釧路サイロ(株)を合併し釧路支店を設置しています。

 全農サイロは港湾に立地していることから、阪神淡路大震災では旧神戸支店、東日本大震災では鹿島支店が大きな被害に見舞われました。さらに、近年大型化する台風による被害も発生しています。こうした被害の経験から、緊急地震速報に連動した設備の自動停止装置や非常用電源などハード面の対応とともに、東日本大震災から13年が経過し、震災を知らない社員も増えているため、災害発生から復旧に至る貴重な経験を若い世代に伝える取り組みを行うことで、今後の災害に備えています。

サイロ外観(鹿島支店)
2017年に開設した倉敷支店
穀物類を荷揚げするアンローダー(志布志支店)
設備の運営を行う制御室(倉敷支店)

 

 

 

 

 

人材確保や労働時間短縮へ 積極的に省力化にも投資

 人材確保も年々厳しさを増している中、採用活動の前倒し実施や、キャリア採用・※アルムナイ採用などの取り組みを開始していますが、採用市場の競争激化は今後も続くことが見込まれます。※自社を一度退職した人材を再度雇用する採用手法

 そこで、今後人材不足となった場合でも対応できるよう、省力化・効率化投資を積極的に進めています。その中で最近導入した「夜間自動・無人出庫システム」を紹介します。 

 このシステムは、穀物の出荷先である飼料工場に原料受け入れ設定用タッチパネルを設置し、飼料工場のタッチパネルで入力された受け入れ設定と当社の出荷登録内容を照合することにより、夜間出荷を自動・無人で行います。

 故障が発生した場合も、自動で予備ラインへ切り替えを実施します。システムの導入により、これまでの夜間勤務が不要となり、社員の労働時間短縮も実現しました。現在東海支店と倉敷支店で導入しており、今後は他支店にも展開する予定です。

 他にも荷役設備の自動運転システムや、設備点検・予備品管理の電子化、トラックの受け入れ予約システムなどの導入を行い、社員の労働時間を少なくしつつも、限られた社員でのスムーズな操業を目指し、取り組みを進めています。

夜間自動・無人出庫出荷システムイメージ図

 

 
高度な知識備えたマンパワーで物流コーディネーターの役割も

近藤 徹也 代表取締役社長

 当社は一つの支店の建設費用が百数十億円の巨大設備を運営しており、また建設後30~40年経過するため、維持管理に毎年数十億円の修繕・更新投資を行っています。資金だけでなく、高度な電気・機械技術の知識・経験・資格を備えたマンパワーも必要であり、全社員約200人の半分を占める技術系社員の育成が当社の最重要事項の一つです。現在は国立高等専門学校からの採用を主体としながら、入社後の資格取得支援制度も充実させています。

また全農・商社など穀物輸送船の荷主と、飼料・食品メーカーなどの出荷先とを結ぶ物流コーディネーターとしての役割も非常に重要です。円安の影響もあり穀物船の1日当たり用船料は約400万円と高騰しています。そこで、当社が綿密な調整・打ち合わせを実施し、短時間で効率的な穀物の荷揚げを行うことが全農グループの配合飼料の安定供給の源泉となっています。

 今後は、社内でサイロ事業に関連するキャラクター募集を行うなど、対外アピールについても検討していきます。

社員が作成した
サイロ事業のキャラクター案

会社の概要 (2024年4月1日現在)

本社所在地

東京都千代田区神田淡路町2-29 東お茶の水ビル7階

事業内容

倉庫業 港湾運送業 通関業

設立年月日1968年6月

代表者代表取締役社長 近藤 徹也

従業員数194人

公式ホームぺージはこちら

https://www.zsilo.co.jp

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