「黒部米」のブランド力向上 農業所得増大へ園芸を推進
JAくろべは、富山県の北東部に位置する黒部市を管内とし、黒部峡谷を流れる清流黒部川の豊富な水に恵まれ、名水の里と呼ばれる地域です。管内の農地のほとんどが水田で、米・大豆・大麦の主穀を中心に、種子籾(たねもみ)や特産品の「白ねぎ」「黒部丸いも」などの園芸作物にも力を入れています。
地域団体商標「黒部米」 新倉庫稼働で高品質に
全国初の米の地域団体商標登録となった「黒部米」のさらなるブランド力向上に向けて、2024年8月には農業用倉庫「黒部市農協西部倉庫」の稼働を予定しています。倉庫は電動式移動ラックを備え、約6万俵の米が収容可能となる予定で、今後も高品質な黒部米の生産振興に取り組みます。
水田を活用し白ねぎ栽培 選別の機械や施設を整備
組合員の所得増大と生産体制の強化を図るため、園芸作物を導入した複合経営の推進にも取り組んでいます。中でも、年間を通して安定的な販路があることや機械化が進んでいることから、主に白ねぎの栽培を推進。生産の拡大・定着や、生産者所得の増加を目指し、大規模生産者には選別機導入による個人選別を推奨しています。
さらに、ハウス導入助成、予冷用冷蔵設備の拡張、皮むき選別作業ラインの一新など選別を請け負う体制も整えてきたことで、黒部秋冬ねぎ生産組合の販売高は22、23年と連続して1億円を達成しました。
園芸需要の掘り起こしへ 農林水産物直売所を設置
園芸作物の新たな需要の掘り起こしと販売先の拡充を目指して、22年に農林水産物直売所「瑞彩(みずいろ)マルシェ」をオープンしました。県の北東部を代表する直売所になることを目指し、管内の生産者だけではなく近隣市町にも出荷者を募集。その結果現在、出荷者は250人を超えています。
商品拡充の取り組みにより来場者もオープンから1年で100万人を超えました。昨年からは同JA女性部発案のレトルトカレー「黒部産大豆カレー」を発売するなど、新たな加工品の開発にも取り組んでいます。
JAくろべは、これからも組合員の所得増大と地域活性化を目指し、取り組みを進めます。
JAくろべ(富山県)
概要 |
2024年1月末現在 |
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正組合員数 | 4198人 |
准組合員数 | 4949人 |
職員数 | 140人 |
販売品取扱高 | 25億3千万円 |
購買品取扱高 | 21億7千万円 |
貯金残高 | 1037億3千万円 |
長期共済保有高 | 1655億7千万円 |
主な農産物 | 米、種子籾、白ねぎ |