JAズームイン
JAおちいまばり(愛媛県)
2024年5月20日(vol.1071)
地域・行政と連携し担い手育成 新規就農サポート事業
愛媛県のJAおちいまばり管内はしまなみ海道沿いの島しょ部を含み、温暖で穏やかな気候から多種多様な農畜産物の生産が盛んな地域です。しかし、近年は高齢化などにより、農家戸数・耕地面積が減少しています。そこでJAでは大きな課題である担い手不足対策のため、2017年から新規就農サポート事業に取り組んでいます。
栽培から出荷まで指導 修了時に農地をあっせん
研修場所は古くから、かんきつ生産が盛んであった今治市上浦町(大三島)で、期間は原則2年間。一流のかんきつ農家を目指し、栽培から出荷までに必要な知識・技術や農業機械の使い方、経営などについて学びます。園地整備研修の一環で、耕作放棄地を開墾し、定植を行うこともあります。研修修了時には、1人当たり1ha程度の農地をあっせんし、営農指導員がサポートを続けます。
15人が研修後に就農 ライフスタイルを尊重
これまでに15人が研修後、独立就農しており、現在も4人が研修中です。行政や担い手サポートセンターと連携し、研修生の確保に努めており、就農希望者の理想やライフスタイルに沿った研修方法と制度の活用を提案・支援しています。
また、地域に根付き、長く農業を継続できる担い手の育成には、地域の協力が不可欠です。そのため、地域とのつながり強化に向けて、地域の行事や活動への参加もバックアップしています。
豪雨災害の再編復旧園地 未来型果樹園として整備
管内は、2018年7月の西日本豪雨災害で深刻な土砂災害を受けました。その後、JAは県や市、地元農家らと協力し、園地整備(3工区・計6.8ha)を進めてきました。今年3月からは定植を開始し、一部で営農を再開できました。
再編復旧園地はスマート農業を取り入れた未来型果樹園としての整備を予定しており、研修圃場(ほじょう)としても活用していきます。
JAおちいまばり(愛媛県)
概要 |
2024年3月31日現在 |
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正組合員数 | 8736人 |
准組合員数 | 2万6508人 |
職員数 | 434人(臨時除く) |
販売品取扱高 | 59億円 |
購買品取扱高 | 47億円 |
貯金残高 | 3034億円 |
長期共済保有高 | 4944億円 |
主な農産物 | 果樹(温州ミカン、伊予柑、愛媛果試第28号、甘平、キウイフルーツなど)、野菜(キュウリ、サトイモ、甘長トウガラシなど)、花き・花木 |