新しい発想と実行力でさらなる農業振興と地域貢献へ
JAいちかわは、江戸川を挟んで東京都に接する千葉県北西部の市川市、浦安市、船橋市と利根川に接する柏市北部をエリアとするJAです。管内は都市近郊の農業地域として、梨をはじめニンジン、米、小カブ、葉物野菜、施設でのトマト、イチゴ、シクラメンなど多くの作物を栽培しています。「市川のなし」「船橋のなし」「船橋にんじん」は地域団体商標登録(地域ブランド)を取得し、地域農業をけん引しています。
設立60周年の節目に ブランド「いちベジ」
設立60周年の節目を迎えた昨年春、JAは市川産野菜のブランド化事業を始動しました。生産者の高齢化や担い手の不足、生産資材の高騰など生産者を取り巻く厳しい環境を打破すべく、「食べればわかる!一番近い市川野菜」をキャッチコピーに、ブランド名を「いちベジ」と名付けました。「いちベジ」の“いち”に“いちばん”いいものを作る姿勢や“市川”を誇りに思う気持ちを込め、毎週木曜日の支店販売や各イベントでのPR販売を行っています。
同じく記念事業として、千葉工業大学協力の下「船橋のなし」の出荷箱を約30年ぶりにリニューアルしました。若く新しい発想を生かしたいとの思いから、先進的な取り組みを行っている同大学の学生にデザインを依頼。県内第4位の生産量を誇る「船橋のなし」を幅広い年代の消費者に知ってもらい、消費拡大につなげたいと願いを込めて作られた箱は梨のおいしさが伝わってくると消費者から評判です。
農業のAI活用を検討 火傷病対策に利用も
さらに、農業のより良い未来に向け、AI(人工知能)の活用も検討しています。AIとロボット開発の第一人者である同大の古田貴之博士を講師に招き、「AIと農業生産の未来」と題して管内生産者を対象とした講演会を開催したところ、ロボットの可能性に前向きな質問が飛び交いました。
現在、JAは火傷病(かしょうびょう)問題を受け、管内の梨産地とともに大きな課題に直面しています。生産者と特産の梨を守っていけるよう、AIも駆使しながら中国産花粉に代わる国産花粉の供給を目指します。これまでの肥料高騰支援、2022年の降雹(こうひょう)の被害果を「あた梨ちゃん」と命名した販売支援など生産者が大変な時にいち早く独自の支援をしてきた経験を生かします。
節目の年を機に、農業振興と地域にさらに貢献できるJAを目指していきます。
JAいちかわ(千葉県)
概要 |
2023年12月31日現在 |
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正組合員数 | 4550人 |
准組合員数 | 2万1060人 |
職員数 | 340人 |
販売品取扱高 | 14億6千万円 |
購買品取扱高 | 13億6千万円 |
貯金残高 | 3739億7千万円 |
長期共済保有高 | 6593億9千万円 |
主な農産物 | 梨、トマト、ネギ、ニンジン、ホウレンソウ、 米、カブ、チンゲンサイ |