直行便事業で販売力を強化 新鮮な農畜産物を直売所に直送
岡山県のJA晴れの国岡山では販売強化対策の大きな柱として、2021年から広域性を生かした直行便事業「晴ればれ直行便」を立ち上げ、県北から県南の消費地へ専用車両で農畜産物を直送。この事業を通じ、消費者には新たなサービスの提供、生産者には中間コスト削減による所得向上の実現を目指しています。
職員が専用車両を運行時間と流通コスト削減
鮮度の高さと中間コスト削減が最大の魅力であるこの事業は、慣行の流通と比べ、直行便では出荷日当日、最短では30分で陳列を可能とし、生産者と直結しているJAだからこそ実現できる大きな強みです。また、職員が専用車両の運行を行うことで外部に委託することなく、管内各産地から直売所に直送することで品質低下リスク、時間と中間流通コストなどさまざまな削減を図っています。
現在では管内特産品の白桃やブドウ、蒜山(ひるぜん)高原産トウモロコシ「イエローダイヤモンド」、「作州黒枝豆」などの農産物を鮮度維持したまま直接流通をさせることが可能になり、消費者の信頼も強まっています。
23年7月に開催した合併※1 後初となる大規模イベント「白桃フェス」では「どこよりも、新鮮で、おいしい白桃を、納得価格で!」を合言葉に管内全域から白桃を専用車両で会場に届けました。イベントには3000人が来場し、大盛況でした。
※1 2020年4月1日に県内8JA(岡山東、岡山西、倉敷かさや、びほく、阿新、まにわ、つやま、勝英)が合併。
朝採れを「超高速輸送」「キッチン米カー」も登場
県外観光客にも特産品の魅力を伝えるため、高速道路のサービスエリアでも販売を開始。最短時間で朝採れの蒜山高原産食材を県南の大消費地へ運ぶ「超高速輸送」を実現しました。
さらに、当該事業の一環として23年度から「キッチン米(マイ)カー 晴ればれ直行便工房」の運行を開始。新鮮食材にこだわった丼や産地直送果樹原料を使用したスムージーなどを提供し、6次産業化の生産、加工から販売までを実現しました。
今後も直行便事業を生かした組織内物流の強化を図ります。広域JAだからこそできること、期待されることは何かをテーマに、今年4月開設の大型直売所の準備を進めています。
JA晴れの国岡山(岡山県)
概要 |
2023年3月31日現在 |
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正組合員数 | 8万8973人 |
准組合員数 | 5万589人 |
職員数 | 2783人 |
販売品取扱高 | 257億3千万円 |
購買品取扱高 | 224億3千万円 |
貯金残高 | 1兆3421億円 |
長期共済保有高 | 3兆4237億円 |
主な農産物 | ブドウ、白桃、 米、牛肉、豚肉、野菜、花き、黒大豆 |