全農グループ会社探訪 全国農協食品株式会社
全農グループのネットワーク生かし生産者と消費者結ぶ総合食品会社に
全国農協食品(株)は、お客さまに“旬”を一番おいしいままに届けるため、さまざまなチャネルで農畜産物・加工品を販売しています。さらに全農グループのネットワークを生かした農畜産物などの販売、それらを使用した加工食品の製造・販売を通じて、多くのお客さまが健やかで豊かな食生活を楽しんでいただくことに貢献しています。
冷食・直販・農産・ニッポンエールを柱に
1974年10月、全農などの出資により、全国農協食品は誕生しました。生産者と消費者を結ぶ懸け橋として大きな期待を受け、給食・弁当事業をメイン事業としてスタート。84年には冷凍米飯の製造販売を開始しました。86年には市場を通さず産地から農畜産物を直接仕入れ、販売をする産直通信販売事業を開始し、日本郵政(株)の頒布会やJA食材宅配事業の取り組みなどへ拡大しました。
2004年には乾椎茸(しいたけ)・大豆・でんぷんなどを主に扱う全農クロップス(株)と合併し、冷凍食品・給食・直販・農産の4本柱を中心事業とする総合食品会社となりました。20年には全農のブランドである「ニッポンエール」の事業を開始し、現在は24年10月の創立50年を控え、次の時代に向けた新たな挑戦が始まっています。
多岐にわたる品目・事業 取引先の開拓も重点に
全農グループに属する事業会社は米、肉、青果などそれぞれの特定の品目に特化した事業を手掛けていることが多いですが、全国農協食品は特定の品目にとらわれない点が特徴です。事業フィールドが多岐にわたることも特徴であり、主なフィールドは四つです。
一つ目は日本郵政グループ・全農(経済連)・百貨店・通信販売会社・マスメディア・インターネットなどを通じて総合食品(青果物・米・畜産物・加工食品など)、花きなどの通信販売を行い消費者に直接商品をお届けする「直販事業」です。二つ目は自社工場(関東工場)で生産した冷凍米飯やライスバーガー、全国の協力工場で製造委託した農畜産加工品を生協、外食産業などへ販売する「食品事業」。三つ目は生協、学校給食、食品メーカーなどへ大豆・でんぷん・乾椎茸、農産加工品などの食品の原料を販売する「農産事業」。そして四つ目が「ニッポンエール」商品などの開発・販売を行う「ソリューション事業」です。
また四つに加えて久喜事業所(埼玉県)では埼玉県久喜市・宮代町・加須市・蓮田市・白岡市・北本市・さいたま市の小中学校、幼稚園の給食受託事業を行っています。
冷凍加工食品の拡大に向けすし・弁当企業を子会社化
コロナ禍によって冷凍加工食品の需要は拡大しており、今後も冷凍野菜などを含めた冷凍食品の需要は安定的に拡大していくと考えられます。そこで23年9月に冷凍ずし・弁当の製造・販売事業を手掛けている(株)ポーラスター(石川県)を子会社化しました。現状はポーラスターの製造能力が上限に達しているため、全国農協食品の製造インフラを活用して、ポーラスター製品を製造・販売することにより、両社の事業規模の拡大を図ります。
「私たちならではの付加価値」 消費者、取引先、生産者へ
金子 千久 代表取締役社長
当社の特徴は取扱品目が幅広いだけでなく、流通や商品の企画・開発、加工を一貫して手掛けていることによる販売チャネルの多彩さです。全ての事業に共通しているのは、「私たちならではの付加価値」を作ることです。その付加価値が消費者の皆さんや通信販売、外食、食品メーカーなどの取引先、農業や畜産業を営む生産者の皆さんと関わる全ての方々に喜んでいただくということにつながると考えています。
当社は既存の考え方ややり方にとらわれない「しなやかさ」を強みに、これからも工夫を凝らして、これまでにない価値を生み出し続けていきます。
会社の概要 (2023年3月31日現在)
本社所在地●東京都渋谷区千駄ヶ谷5-32-10 南新宿SKビル4F
事業内容●農畜産物・水産物の加工・販売、調理食品・加工食品の製造・販売、給食事業、酒類の販売、米穀等の販売、農畜産物・加工食品および酒類の輸出事業、加工食品の輸入事業、生活用品の販売、太陽光等の再生可能エネルギーによる発電・売電事業など
売上高●256億円(22年度)
設立年月日●1974(昭和49)年10月1日
代表者●代表取締役社長 金子 千久
従業員数●507人
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