JA全農 令和4年度事業報告の概要
事業概況
令和4年度、本会は事業環境の変化に対応し、生産者・JAグループ・消費者・実需者や地域のくらしにとって“なくてはならない存在”であり続けるため、これまでの自己改革の取り組みを強化するとともに、今次中期(令和4~6年)事業計画で設定した6つの全体戦略((1)生産振興(2)食農バリューチェーンの構築(3)海外事業展開(4)地域共生・地域活性化(5)環境問題など社会的課題への対応(6)JAグループ・全農グループの最適な事業体制の構築)の達成に向けて取り組みをすすめました。
令和4年度事業報告の動画はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=hP7ZZBUDoAY
(1)生産振興
○パートナー企業との連携等を通じた農作業受委託や、農福連携の導入などによる労働力支援の実践(新規3県、累計33県域)
○低コスト資材の普及に向けた、肥料の銘柄集約・集中購買の促進(12.7万t、前年比116%)、農薬の担い手直送規格の取り扱い拡大(30.6万ha、前年比120%)
○生産者の所得向上や省力化に資する畜産資材「モバイル牛温恵」(新規169戸、累計3131戸)、「ファームノートカラー」(新規65戸、累計889戸)の普及拡大
○国産飼料原料の生産拡大に向けた子実とうもろこしの栽培実証(4県)
(2)食農バリューチェーンの構築
○実需者を明確にした米の直接販売の拡大(4年産最終見込み:連合会取扱数量の80%、前年差+10ポイント)
○青果物流通におけるコールドチェーンの構築に向けた、産地貯蔵保管施設の設置(1カ所)
○グループ会社・他企業等と連携した「ニッポンエール」商品などの国産農畜産物を使用した魅力ある商品開発(新規126商品)
○「JAタウン」における取扱品目・イベント企画の拡充やSNS等のメディアを活用した情報発信の強化などによる販売拡大(32億円、前年比123%)
(3)海外事業展開
〇米・青果物・牛肉などの日本産農畜産物の輸出拡大(224億円、前年比129%)
○香港における日本産鶏卵の現地加工施設の設置や、海外ニーズをふまえた現地実需者への商品提案などによる産地と実需者のマッチング(新規5件)
○肥料原料における海外山元との関係強化や調達先の多元化による、継続した安定的な原料の確保(リン安:224千t、尿素:196千t、塩化カリ:148千t)
○海外グループ会社の集荷・輸送・販売網の強化による飼料原料などの安定供給(米国:ZGC1830万t、ブラジル:ALZ470万t、カナダ:GCC160万t)
(4)地域共生・地域活性化
〇組合員へのエネルギー供給基盤強化に向けた「JAでんき」の契約数拡大(新規1万7346件、累計5万7665件)
○農畜産物直売所を併設したファーマーズ型Aコープ店舗の出店拡大(新規出店8店舗、累計44店舗)
○太陽光発電や蓄電池などを活用した自家消費型太陽光発電(PPA)モデルの拡大(新規8カ所)
○地域・JAの実態に応じた移動購買車の導入促進(新規7台、累計122台)などを通じた生活インフラの維持
(5)環境問題など社会的課題への対応
〇被覆肥料におけるプラスチック被膜殻の流出防止策の実証(17県)や代替施肥法の試験実施(31県)をふまえた、「流出防止マニュアル」の作成
○労働力・環境負荷低減に資する「生分解性マルチ」の普及拡大(7万8670本、前年比112%)
○水田における秋耕など温室効果ガス削減への取り組み着手
○SDGsや「みどりの食料システム戦略」、脱炭素化などの実現に向けた取り組み、およびJAグループ・全農グループの社会的価値の理解促進に資する広報活動の実施
(6)JAグループ・全農グループの最適な事業体制の構築
〇本会グループの精米・エネルギー・生活事業の競争力強化に向けた子会社を含めた再編整備
○地域別飼料会社の機能強化に向けた、「JA全農くみあい飼料ホールディングス(株)」の設立
○JAとの広域拠点整備など共同事業等による事業体制の構築
○資材などの受発注業務効率化に資する「受発注センターシステム」(25JA)、資材店舗運営の効率化に資する「新資材店舗POSシステム」(5JA)の導入・拡大
経営概況
取扱高は計画4兆6000億円に対して実績4兆9606億円と、計画比108%・前年比111%となりました。園芸事業では計画を下回ったものの、畜産事業および営農・生産資材事業における原料価格上昇の影響や、米穀農産事業における販売数量の増加により、全体取扱高は計画および前年実績を上回りました。