全農グループ会社探訪 協同乳業株式会社
酪農家が生み出す乳の持つ価値を伝えて70年 生産者と消費者から愛される企業を目指して
2022年6月から全農のグループ会社となった協同乳業は「酪農と乳業の共生」を基本理念に掲げ、酪農家が生産する「乳の価値」を引き出す独自の生産技術や研究を日々追求し、商品開発に取り組んでいます。今年は創業から70周年を迎え、これからも健康で豊かな食文化の創造に貢献する企業を目指します。
生乳生産・加工・市場が力を合わせることを理念に
協同乳業は1953(昭和28)年に「酪農と乳業の共生」を創業理念に掲げ、長野県の生産者とJA、名古屋精糖(株)が一体となって設立されました。酪農家が丹精込めて生産した生乳を使い、おいしい牛乳や乳製品を作るところから始まり、現在は全国に9工場※1を配置し、広域展開の生産体制を通して多くの消費者に商品を提供しています。主な事業内容である牛乳・ヨーグルト・アイスクリームなどの製造や販売、牛乳をもとにした素材事業などでは、多くの日本初の取り組みを持ち、独自の生産技術や研究を生かした商品を数多く提供しています。
長野県内の家畜診療所に社員獣医師を配し、乳業メーカーとしては唯一の診療業務のほか、乳質改善や酪農家の経営指導を行うことで牛の健康や衛生面を管理し、酪農家を支えています。
※1…自社の5工場と子会社(信州ミルクランド(株)、リフレカップ(株)、広島協同乳業(株)、北陸メイトー乳業(株))の4工場。
「酪農の輪プロジェクト」で酪農家と消費者の思いつなぐ
「酪農の輪プロジェクト」は、全農と協力し牛乳の消費拡大と生産基盤の安定に資することを目指し、消費者・流通と酪農家との相互理解の促進や、牛乳乳製品の魅力を発信する取り組みです。
その一環として、「酪農家のつぶやき」シリーズと題し、酪農家の想(おも)いや酪農の豆知識をPOPにして農協牛乳の販売スペースで発信しました。
また、親子を対象にした「オンライン牧場体験」を実施し、消費者に牧場や酪農家の仕事について知ってもらう機会を設け、生産者と消費者を結ぶ懸け橋の役割を果たしています。
乳の力と腸内環境を追求する研究開発進む
研究開発では乳酸菌やビフィズス菌を対象に腸内環境の研究に取り組み、ビフィズス菌LKM512を用いたヨーグルト「LKMヨーグルトBVしなやか血管サポート」の商品化に成功しました。この商品は、ヨーグルトで日本初の血管のしなやかさ維持に役立つ機能性表示食品です。現在、大学など数多くの研究機関と共同研究を行い、高齢化社会における新たな価値訴求に向け、健康寿命の延伸を実現する科学的根拠のある商品開発に取り組んでいます。
「メイトー」と「農協」商品ブランドを強化
協同乳業の商品である「メイトー ホームランバー(R)」や「メイトーのなめらかプリン」で長年愛されてきた商品ブランド「メイトー」とともに、全農と取り組んでいる「農協牛乳」を軸とした「農協」ブランドを展開し、付加価値の高い商品を提供しています。また、お客さまと酪農家をリアルタイムでつなぐ「オンライン牧場体験」企画では、酪農家の仕事や乳牛について身近に感じていただくとともに、酪農家が丹精込めて育てた乳牛から搾乳した生乳を使った農協牛乳の販売などを通じ、協同乳業の企業価値の向上にも努めています。
創意工夫で消費拡大 生産者とともに発展へ
代表取締役社長 宮﨑 幹生氏
当社は、おかげさまをもちまして、本年、創業から70周年を迎えることができました。
長年、メイトーブランド商品を中心に製造・販売してまいりましたが、「農協牛乳」の発売を契機に、当社の製造技術や商品開発力を活かした「農協珈琲」「農協ヨーグルト」「農協ミルク」などの農協ブランド商品の販売拡大にも精力的に取り組んでいるところです。「農協ミルク」を開発する際には、生乳の需要拡大や地域貢献を意識した上で、生乳の使用率を引き上げ、市場流通にのらない果実から搾った果汁を使用するなどのフードロスゼロの取り組みを交えた商品づくりを行いました。
一昨年以降、原材料価格、飼料価格、燃料費などが高騰しており、私どもだけではなく生産者の皆さまも大変厳しい環境下にありますが、当社ならではの創意工夫を行い、生産者の皆さまとともに発展していけるよう引き続き消費の拡大などに取り組んでまいります。
会社の概要 (2022年3月現在)
本社所在地●東京都中央区日本橋小網町17番地2号
本部所在地●東京都板橋区板橋三丁目9番7号 板橋センタービルディング
事業内容●牛乳、アイス、デザート、乳製品の製造、販売、牛乳をもとにした素材事業など
創立年月●1953(昭和28)年12月
代表者●代表取締役社長 宮﨑 幹生
従業員数●578人
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