子実とうもろこし栽培を本格化 全農と連携、都府県最大の91.4ha
JA古川は、宮城県の北西部に位置し世界農業遺産に認定された広大で肥沃(ひよく)な平野「大崎耕土」が広がる地域です。全国的に有名な「ササニシキ」「ひとめぼれ」の誕生の地として水稲を中心に、県内一の生産量を誇るナスをはじめ、ネギ、シュンギクなどの園芸品目やブランド牛肉「仙台牛」の優良産地であるとともに、「タンレイ」「ミヤギシロメ」などを生産する全国でも有数の大豆産地です。
水田転作で大豆拡大 輪作での技術確立へ
2022年からは、転作作物として子実とうもろこしの栽培に着手しました。米価下落に伴い転作面積の拡大が必要となる中、大豆の作付け拡大を基本に、輪作で大豆の増収が期待できることや、管理に手間がかからないこと、大豆の作業機械を利用できることなどの理由から、子実とうもろこしの作付け推進を始めました。JA職員が大豆生産組織や認定農業者を中心に作付け推進を行った結果、作付面積は都府県最大規模の91.4haとなりました。
JA全農と業務委託契約を締結し、3年間にわたる栽培試験で、大豆との輪作体系による生産技術の確立や栽培特性などを検証しています。22年には3回の現地見学会を開き、播種(はしゅ)や収穫作業の実演、生育状況の確認などを実施し、全国のJA関係者や行政等関係職員が参加しました。
堆肥活用で耕畜連携 23年度は150ha
家畜の飼料に使われる子実とうもろこしは、高騰する輸入飼料の代替としても注目されており、堆肥の活用で耕畜連携による循環型農業の実現も可能となります。収穫した子実とうもろこしは、JAの乾燥設備で乾燥・調製し、JA全農北日本くみあい飼料(株)に出荷しました。
栽培初年度は、7月の豪雨で一部に被害があり、収量にも影響が出ました。23年度は作付面積150haを目指し、関係機関と課題を検討しながら、輪作体系を確立して大豆の増収や労力削減を図り、国消国産を通じた農業経営の安定につなげていく計画です。
JA古川(宮城県)
概要 | 2022年3月31日現在 |
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正組合員数 | 8127人 |
准組合員数 | 2512人 |
職員数 | 208人 |
販売品取扱高 | 51億6千万円 |
購買品取扱高 | 24億9千万円 |
貯金残高 | 663億2千万円 |
長期共済保有高 | 1987億6千万円 |
主な農畜産物 | 米、大豆、仙台牛、古川なす |