施設キュウリで環境モニタリング 技術継承と環境に配慮した栽培へ
JA新潟かがやきは、令和4年4月1日に北蒲みなみ・ささかみ・新津さつき・新潟みらい・越後中央の5JAが合併し、誕生しました。管内は、安全・安心な米の生産をはじめ、園芸生産が盛んな地域、環境保全型農業に取り組む地域、花木生産が盛んな地域などがあり、多種多様な農畜産物が生産されています。
トップ産地のブランド「しろねきゅうり王子」
管内の新潟市南区白根地区は、50年以上前からキュウリの生産が盛んで、共販作付面積は延べ12.3ha、県内出荷額の4割を占める県内1位の産地です。産地の共販はしろね野菜部会が担い、部会員は82人。そのうち62人がキュウリを栽培しています(4年)。3年度には選果員が厳選したものだけを「しろねきゅうり王子」のブランド名で販売を開始しました。
作型は3月下旬〜6月下旬収穫の半促成加温作型と、9月上旬〜11月中旬収穫の抑制作型で構成しています。また、若手生産者18人が研究グループ(TomaQ倶楽部)を組織し、増収や品質向上に向けた研究会活動(技術継承)を行っています。3年度から環境モニタリング装置や統合型の環境制御装置を活用したハウスを4戸が新規導入し、産地として54a拡大しました。
「あぐりログ」活用 栽培環境を見える化
JAでは地区内の6ハウスで、愛知県にある(株)IT工房Zが取り扱う環境モニタリング機器「あぐりログ」を導入し、実証試験を行っています。
実証期間は4年4月~5年3月(中断12~1月)で、6人を同一グループとして登録し、他生産者とデータを比較します。データを基にハウスの管理方法を検証するとともに、グループ内の篤農家の技術を学び、習得することを目的としています。
篤農家を講師とした指導会を年8回開催、生育調査でハウス内環境と生育との関係を分析するなどモニタリング技術を収量向上につなげられるよう取り組んでいます。
適期防除で農薬低減 適正施肥もめざす
複合環境制御型ハウスでの栽培技術を確立し、情報通信技術(ICT)による環境モニタリングを普及させ、栽培環境の改善や適期防除による化学農薬の低減、化学肥料の適正施用に取り組んでいきます。
JA新潟かがやき(新潟県)
概要 | 令和4年4月1日現在(JA発足日) |
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正組合員数 | 2万9734人 |
准組合員数 | 2万9953人 |
職員数 | 1540人 |
販売品取扱高 | 379億6千万円 |
購買品取扱高 | 193億円 |
貯金残高 | 4244億5千万円 |
長期共済保有高 | 1兆4279億3千万円 |
主な農畜産物 | 米、スイカ、日本梨、西洋梨、ブドウ、イチゴ、柿、エダマメ、キュウリ、サトイモ、長ネギ、キノコ類、チューリップなど |
注)販売品取扱高および購買品取扱高は、旧JAの3年度実績の合計金額を記載。
貯金残高および長期共済保有高は、旧JAの4年3月末残高の合計金額を記載。