令和5年 年頭会長あいさつ
食と農を未来へつなぐ
あけましておめでとうございます。
謹んで新春のごあいさつを申しあげます。
令和5年の年頭にあたり、全国の組合員、JA、県連および関係の皆さまから旧年中に賜りましたご支援、ご協力に厚くお礼を申しあげます。
昨年も地震や雹(ひょう)、大雨や台風などの自然災害や、鳥インフルエンザなどの重要家畜疾病に全国各地で見舞われ、多大な農業被害が発生いたしました。被害に遭われた皆さまに心からお見舞い申しあげますとともに、本会は、共に助け合うという協同の理念のもと、一日も早い復旧を支援してまいります。
現在、コロナ禍での各国の輸出規制やロシアのウクライナ侵攻、気候変動や世界の人口増加などにより、肥料原料や飼料穀物といった農業に必要な資源価格の高騰が続いています。円安も加わり、エネルギーや食品などの物価が上昇し、日本経済や国民の暮らしにも影響を与えています。
一方、国内農業は生産者の減少や高齢化、耕地面積の減少など生産基盤の縮小が続くなか、生産資材の高騰により農業経営は厳しさを増しており、我が国の食料安全保障の土台が揺らいでいます。
また、SDGsや脱炭素化など世界的に環境問題への意識が高まり、農業分野では、昨年「みどりの食料システム法」が施行されるなど、食料・農業を取り巻く情勢は大きな転換期を迎えています。持続可能な農業による食料の安定供給に向けて、JAグループが果たすべき役割はますます大きくなっております。
このようななか、本会は、2030年の全農グループのめざす姿を「持続可能な農業と食の提供のために“なくてはならない全農”であり続ける」と定め、今次「中期計画」(令和4〜6年度)において、6つの全体戦略「(1)生産振興、(2)食農バリューチェーンの構築、(3)海外事業展開、(4)地域共生・地域活性化、(5)環境問題など社会的課題への対応、(6)JAグループ・全農グループの最適な事業体制の構築」を掲げ、事業の拡大に取り組んでおります。
本会は、現下の情勢を踏まえ、今次中期計画をさらに発展させ、生産性の向上や国内資源の有効活用、輸入原料の調達力強化や輸出拡大、消費者理解の醸成などを着実にすすめ、経営理念にございます「生産者と消費者を安心で結ぶ懸け橋」として、食と農を未来へつないでまいります。
本年も引き続きご指導とご協力を賜りますようお願い申しあげますとともに、皆さまのご健勝とますますのご発展をお祈り申しあげます。