全農グループ会社探訪 株式会社ジェイエイフーズおおいた
特産カボスをはじめ大分県産農産物に特化 農業や地域に貢献し創業50年、長く愛される企業へ
(株)ジェイエイフーズおおいたは、カボスをはじめ、主に大分県産の果物や野菜を使ったさまざまな飲料を製造・販売しています。創業50年を迎え、これからも地元農業や地域を支え、長く愛される企業を目指します。
温州みかんの生産拡大とともに発足
1961年に制定された果樹農業振興特別措置法により、柑橘(かんきつ)を中心とした果樹産業の振興が始まりました。大分県でも県南地域や県北地域に主に温州みかんの増殖が進められ、急速に生産量が増大しました。そこで70年に農林省(当時)が「温州みかん加工需要拡大緊急対策事業」として、大型果汁工場の建設を打ち出しました。大分県も工場の誘致に乗り出し、71年4月に全国6番目の果汁工場として建設が認可されました。
山口経済連(日果工)の協力のもと、72年1月30日に工事に着工。同年11月、米国製の搾汁設備、ドイツ製の遠心分離機、英国製の濃縮設備など、最新鋭の設備を備えた果汁工場が完成し、大分県果実農業協同組合連合会杵築(きつき)工場として操業を開始しました。91年12月に(株)ジェイエイフーズおおいたが発足し、現在は温州みかんの搾汁事業をはじめ、清涼飲料水やアルコール飲料の製造・販売、創業時から継続している県産果菜の搾汁・加工・販売などの事業を展開しています。
看板商品「つぶらな」シリーズ開発
同社は粒入りのみかんジュースを販売するなど、固形物入り飲料の製造・販売を最も得意としています。また、みかんジュースは根強い人気がありますが、世間では他にもさまざまな果物が普及し、販売されるジュースの種類も増えてきました。そこで自社の強みと地元特産のカボスを使い、さわやかなカボスの香りとプチプチとした粒の食感を楽しめる「つぶらなカボス」を開発しました。全国的にも好評で、今ではリンゴ、ユズ、ミカン、ブドウと展開しています。
地元・特産のカボス商品 9アイテム展開
大分特産のカボスはユズやスダチといった香酸柑橘の中ではまだ認知度が低いので、県では関係機関が協力し、カボスの宣伝や消費拡大に取り組んでいます。JAや全農の協力で原料のカボスを確保しやすいこともあり、「つぶらなカボス」のほか、乳酸菌を配合した乳性飲料「かぼすと乳酸菌」やクエン酸を含むカボスの果汁と大分県産塩を使った「塩とカボス」など、カボス商品のラインアップを充実させています。また、「かぼすハイボール」などカボスを使った飲料を通じて使い方を知ってもらうことで、青果の販売にもつなげたいと考えています。
循環型農業を推進 人材育成にも力
企業理念に「農業の発展に寄与すること」「地域社会に親しまれ愛される企業を目指すこと」を掲げています。商品開発部では消費者ニーズを踏まえつつ、大分の農産物を使った商品の開発に力を入れています。地元の農産物を使うことで大分県の農業を支え、地域に貢献できると考えています。また、製造過程で出る食物性残さを全て社内のリサイクルセンターで農業用の堆肥に再利用することで食品リサイクルを実践し、循環型農業の推進に取り組んでいます。
今年から、技術・知識の継承や人材育成に力を入れています。今までは専門性が強く、1人が同じ業務を担当していましたが、他の業務も習得することで工程管理の視野が広がり、互いの工程を助け合うことができます。それほど大きくない会社だからこそ従業員同士が協力し、スムーズに稼働させることは、安定供給にもつながります。
地域に親しまれ100年続く会社に
代表取締役社長 大塚 修司氏
創業から50年を迎えました。地元産の農産物を使うことで農業を支え、会社があることで働き場所の提供など、地域に貢献することができます。そのためにも、顧客満足はもちろんですが、同時に従業員満足も重要です。一人一人がプロの意識と技術、責任とプライドを持ち、従業員みなが力を合わせて取り組むことは、会社の存続だけでなく、自身の生活向上にもつながります。また会社としては、コンプライアンスの徹底、労災ゼロも目指しています。ずっと地域に親しまれる会社になるためにも、この先50年、100年と会社を続けていくことが大事だと考えています。
会社の概要 (2022年10月1日現在)
本社所在地●〒873-0014 大分県杵築市大字本庄1453番地1
事業内容●清涼飲料製造業、リキュール製造業
創業●1972(昭和47)年11月、会社設立は1991(平成3)年12月
代表取締役社長●大塚 修司
従業員数●151人
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