地域を守り「協同の力」を発揮 特産育て、集落機能の存続にも貢献
JAなんとは、富山県の南西部に位置し周囲の山々から湧き出た清らかな水に恵まれた地域です。水稲を中心にさまざまな作物を生産し、畜産農家と耕種農家を結び付けた循環型農業に取り組んでいます。
また、早くから集落営農の組織化を進め、集落機能の存続や農村文化の継承に対し「協同の力」「組織の力」を発揮すべく、約150人の役職員が農業を中心とした地域貢献活動を展開し、地元に密着した活気のある地域づくりに全力を尽くしています。
1億円産地づくり支援で特産品ニンニクを拡大へ
1億円産地づくり支援の園芸作物としてニンニクの生産に取り組み、2008年から試験栽培を開始しました。加工用「黒にんにく(原材料)」として販売したところ評価は良好で、徐々に栽培面積も増えてきました。
ニンニク栽培は、鳥獣害が少なく中山間地域での栽培が可能で、水稲収穫後に植え付けし、翌年、田植え後に収穫となるため、水稲と作業競合しないのが特徴です。6月の収穫後、1カ月ほど乾燥させ出荷します。出荷先の県外スーパーから品質の良いニンニクと評価され、さらなる生産拡大を目指しています。
五箇山特産「赤かぶ」 酢漬けや缶詰も好評
JA上平野菜山菜加工場で加工する「赤かぶの酢漬け」は、五箇山地域で栽培されている「赤かぶ(飛騨紅かぶ)」が使用されています。「赤かぶ」は、10〜11月に収穫し、冬の保存食として漬けられる伝統野菜。昼夜の寒暖の差により鮮やかな赤紫色になり、甘みが増し漬け物に適しています。
22年6月には「赤かぶの酢漬け」の缶詰も新商品として開発し、南砺市内の土産店や直売所で販売しています。一年中買い求めることができ、贈答品として観光客などにも喜ばれています。
組合員の要望に応えて移動購買車を週6日運行
世界遺産に登録された五箇山地域は、県内でも特に高齢化が進む地域です。購買店舗を07年に閉店以降、組合員たっての要望で20年からは移動購買車「JAなんと ふれあい号」を週6日運行し、多くの方々に喜ばれています。
JAなんとは「相互扶助の精神」を守り、協同組合としての役割発揮に全力を尽くします。
JAなんと(富山県)
概要 | 2022年2月28日現在 |
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正組合員数 | 2210人 |
准組合員数 | 1819人 |
職員数 | 133人 |
販売品取扱高 | 10億4千万円 |
購買品取扱高 | 16億8千万円 |
貯金残高 | 619億円 |
長期共済保有高 | 1260億8千万円 |
主な農畜産物 | 米、干し柿、ニンニク |