全農グループ会社探訪 全農畜産サービス株式会社
畜産生産者の経営をトータルにサポート 素畜から防疫機器まで優良な施設や資材を全国へ
全農畜産サービス(株)は、「ブリーディング事業」「資材事業」「施設事業」「海外事業」など、日本の畜産経営を支援するため、高度な専門性とトータルコーディネート力を備えた畜産専門会社です。北海道から九州まで全国各地に農場、営業所、駐在を展開し、畜産生産者に優良な畜産資材を届けています。
1991(平成3)年7月に、家畜の生産性向上による生産者の所得向上への貢献を目的に高度専門化する畜産施設や資材を取り扱う専門会社として設立されました。以後、国内畜産業の情勢変化に対応し、2004(平成16)年以降は、種豚、素(もと)ひな、素牛、素馬、飼料などの品目や農場施設を全農と旧(株)組合貿易から譲り受け、現在に至っています。設立当初は社員数14人のアットホームな会社でしたが、21(令和3)年には創立30周年を迎え、社員数約200人を擁するまでに成長してきました。
種豚供給で最大シェア 国内トップブリーダー
ブリーディング(種豚)事業では、全農グループが育種改良し、普及推進を行っている「ハイコープ豚」の種豚、精液の生産、供給を行っています。ハイコープ種豚は繁殖能力と産肉能力に優れた斉一な種豚です。北海道の全農飼料畜産中央研究所上士幌種豚育種研究室で開発され、養豚研究室で性能を確認したのち、GGP農場で改良・増殖されます。その後、各地のGP農場で、ハイコープF1種豚を高い衛生状態を保ちながら生産し、疾病感染リスクも排除した、安心・安全な種豚を全国の養豚農家に安定的に供給しています。
また、資材事業では、多種多様な畜産資材を取り扱うとともに、ICT(情報通信技術)機器や新素材など、先端資材の開発・発掘にも取り組んでいます。持ち運びできるLPガス使用の発電機「エルソナ」は防災へのニーズの高まりもあり、畜産施設だけではなく自治体や公共施設にも導入されています。施設事業では、生産性・作業性・経済性および防疫を兼ね備えたモデル畜舎の構築・普及を目指しています。海外事業では、豪州産乳用育成牛に黒毛和種の受精卵を移植した初妊牛を都府県中心に供給し、酪農家の経営安定に貢献しています。また、乳牛凍結精液、動物用ワクチンの原料となる有精SPF鶏卵などの輸入販売を行っています。
より安全な生産目指し多様な機材の開発も
新たな商品として、防疫と食の安全に寄与するため、全農が推奨する除菌液「過酢酸製剤ビネパワー」の事業化に取り組んでいます。過酢酸製剤は酢酸を主成分とした除菌剤で広範囲の微生物に高い除菌効果があり、人や食品への安全性も高いことから世界でも注目されています。あわせて、除菌液を有効に、かつ安全に使用するための機材開発にも力を入れています。
過酢酸は強酸性のため機材のステンレス化が絶対条件で、これを実現した代表的な商品が背負い型噴霧機「オルサスライト」、据え置き型大型噴霧機「オルサスKLC25」、スイッチ一つの自動噴霧機「オルサスミスト」です。この他にも、防疫の基本である靴裏の除菌を徹底するための大容量除菌マットも菌・ウイルス対策の必需品として提供しています。
常に挑戦する職場風土を醸成し 畜産専門会社のブランド確立へ
代表取締役社長 種田 貴至氏
当社は昨年創立30年を超え新たなステージに入りました。創立30周年を迎えるにあたり、会社独自の経営理念とシンボルマークの策定に社員全員で取り組みました。当面の課題として「ハイコープ種豚の絶え間ない改良・増産」と「創立以来の取扱品目である畜産資材の事業再構築と商品開発」を挙げています。いずれも一筋縄ではいかないものですが、常に挑戦する職場風土も醸成しつつ達成したいと考えています。
真面目でコツコツ働くのが当社の職場風土です。当社の経営理念、「私たちは、いのちを育み、豊かな食を創造し、みんなの笑顔をサポートします」のもと、次なるステージにおいても全農グループ会社として誇り高く仕事を行い、畜産生産の専門会社としてブランド確立できるよう社員一同精励します。
会社の概要 (2022年3月31日現在)
本社所在地●〒135-0041 東京都江東区冬木11番17号
事業内容●畜産経営の全分野にわたる施設や資材などの開発・供給
設立年月●1991(平成3)年7月
代表者●代表取締役社長 種田 貴至
従業員数●213人
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