農家所得向上へ　ＪＡ独自の園芸支援策

　JAいわて花巻は、岩手県の中央部に位置し、花巻市、北上市、遠野市、釜石市、大槌町、西和賀町の4市2町からなり、管内の総面積は約3400km²で、東は太平洋から西は奥羽山脈まで東西約120kmをエリアとしています。営農形態は、稲作にプラス園芸、畜産の複合経営が特徴です。

新規ハウス導入でピーマンの産地化推進

　令和元年度から令和3年度の第4次中期経営計画で、園芸振興を図る取り組みの一環として、100を超える水田農業を主体とした農業生産法人に向けて、県が取り組む「いわて型野菜トップモデル産地創造事業」の補助金を活用し、新規ハウス導入によるピーマンの産地化を推進し、販売額5億円を目標に取り組みました。

　成果は、令和2年度に販売高5億円を達成することができ、3カ年合計で導入件数21件（82棟、215a）、助成実績累計で1920万円。収量は令和元年度の14.9万ケースから、令和3年度は18.1万ケース（1ケース当たり7.5kg）となりました。

　また、JAのオリジナルキャラクター「ピーやん」の作成や、小学校や地域の施設でPR活動も実施しました。

農家所得向上目指しJA独自支援策を創設

　今年度からの第5次中期経営計画の取り組みとして、農家所得向上のため、最重点品目のネギについて果菜類の組み合わせによる販売期間の拡大や初期投資費用の支援などを目的とし、3カ年で総額5000万円を支援するJA独自支援策として「花巻農協園芸産地確立事業」を創設しました。新規だけではなく、増反や生産継続に対しても支援します。生産面積は現在の32haから令和6年度には50haとなるよう取り組んでいきます。また、ネギ以外にも地域ごとに重点品目を選定して面積目標を定めるとともに、維持・拡大への支援策（3カ年で総額3000万円）も掲げ、取り組んでいきます。

ＪＡいわて花巻（岩手県）

概要	令和4年2月28日現在
正組合員数	2万484人
准組合員数	1万9391人
職員数（パート含む）	886人
販売品取扱高	195億3千万円
購買品取扱高	58億3千万円
貯金残高	2690億6千万円
長期共済保有高	7931億4千万円
主な農畜産物	米、ピーマン、ネギ、アスパラガス、サトイモ、シイタケ、リンゴ、ブドウ、 リンドウ、鉢花、牛肉、豚肉、生乳など