「農家所得の増大」に向けJA職員一丸で取り組む
JA直鞍(ちょくあん)は、福岡県の北部に位置し直方市・宮若市・鞍手町・小竹町の2市2町で構成され、水稲栽培を中心として麦作、野菜、果樹、花卉(かき)、施設栽培などが盛んに行われています。また、施設栽培ではイチゴやブドウ、花卉などで雇用型経営が多く、大規模に行われています。
県北地区広域販売センターを活用した「農家所得の増大」
同JAでは、市場価格の低迷や農家の高齢化、資材費コストの高騰により農家所得の減少、離農などが加速化している中、「農家所得の増大」を目標に令和元年度に直方市を拠点として建設された「JA全農ふくれん県北地区広域販売センター」を活用した取り組みを検討しました。県北地区広域販売センターでは(1)パッケージ利用による出荷調製の省力化(2)資材費コストの削減(3)安定した価格での取引(4)地の利を生かした農家直接の持ち込みで輸送費の削減——などが挙げられました。
品目の選定では、将来的に大規模栽培が可能な水稲の後作として、ブロッコリーに着目し、11〜3月の期間で取り組むことにしました。JAからの支援としては、播種(はしゅ)機・定植機の貸し出しを行い、栽培の一役を担うようにしました。栽培計画は、単年度ではなく中期的な計画を作成。1年目5ha、2年目8ha、3年目10haとJA職員一丸となり推進しました。この結果、目標である面積の達成と生産者増につながりました。
「収量アップ」に向けた取り組み
品質の向上・収量増大に向けた取り組みとして、土づくりの推進も行っています。JAで運営する「アグリ土づくりセンター」の良質な堆肥を投入することにより、地力の維持と向上で品質アップ・収量アップにつなげています。アグリ土づくりセンターの堆肥は、畜産農家の牛ふん100%に木くず(チップ)バークを加えたもので、80度前後の堆肥熱で発酵させ、切り返しを行いながら、4〜5カ月かけて出荷しています。管外からの引き合いも強く、水稲を中心に野菜・果樹で多くの方に利用され大変好評です。ブロッコリーでも栽培基準を作成し、必ず堆肥を投入しています。
今後は、さらなる中期計画を作成し、出荷期が重なり集中しないよう作型の分化を綿密に行いながら、各関係機関と連携を図ります。
概要 | 令和4年3月31日現在 |
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正組合員数 | 3687人 |
准組合員数 | 5327人 |
職員数 | 124人 |
販売品取扱高 | 14億6千万円 |
購買品取扱高 | 18億1千万円 |
貯金残高 | 695億8千万円 |
長期共済保有高 | 1364億円 |
主な農産物 | イチゴ、ブロッコリー、 巨峰、米、麦、大豆、トルコギキョウ |