全農グループ会社探訪 株式会社米心石川
田んぼの笑顔と食卓の笑顔をつなげたい。精米・炊飯・加工を通してお米の消費拡大に努める
（株）米心石川（べいしんいしかわ）は2007年に県内三つの米穀卸会社と一つの炊飯会社が統合し、創業されました。現在は米穀事業、炊飯事業、商事事業の三つを柱として、多くの食卓に笑顔を届けています。
事業の柱は米穀・炊飯・商事
米穀事業は、石川県内で生産されたお米を主力商品として、県内を中心に事業を拡大。一般家庭用精米商品は県内でトップシェアを誇り、身近なコンビニや外食店などにも精米・玄米をお届けしています。
炊飯事業では、自社精米工場で精米したお米を使用。品種の違いや顧客の要望に応じて、釜ごとに加熱時間や加熱量を細かくIH炊飯システムに指示することで、常にふっくらとおいしいご飯を提供しています。精米と炊飯の両工場は衛生管理を徹底しているため、金沢市近郊の小中学校向け学校給食のご飯の製造も担っています。また、おにぎり・おすし・赤飯・おはぎなども製造し、時代を先読みした商品開発に挑戦しています。
商事事業では、パックご飯・乾麺・食用油・小麦粉などの卸売りや、自社で製粉した米粉など幅広い商品を販売しています。
会社理念は「地元の農家が育てたお米を中心とする農産物を真心込めて安全安心な食品として地元の消費者の皆さまに安定的にお届けすること」。農家の愛情をいっぱいに受けて実ったお米を「マイハート」ブランドの商品として、地域の皆さまにお届けするとともに、炊飯・加工を通してお米の消費拡大に努めています。田んぼの笑顔と食卓の笑顔をつなげたい。これが「つくる」と「たべる」の間に存在する米心石川の思いです。
最新鋭の機械も導入し、安心安全なご飯を提供
精米と炊飯の工場ともに国際的な食品安全マネジメントシステムの「FSSC22000」を取得、衛生管理システムを構築して実践しています。
精米工場では、精米をアルミ製のタンクに貯蔵し、ベルトコンベヤーなどを使わずにタンクごと搬送する「多用途搬送システム」を導入。移動などによる精米の品質低下や異物混入を防いでいます。品質保証済みの玄米をJAから仕入れ低温倉庫で保管、衛生管理の維持徹底、品質管理検査の実施など、一年を通じておいしいご飯を提供するため、より高いレベルでの品質の安定化に努めています。
販路拡大と新商品の開発目指しチャレンジ
米穀事業では、お米の魅力の再発見、そしてニッチ商品の販売などを通して、石川県内はもちろん、県外への進出にも力を入れていきます。最近ではネットショップでの販売を強化し始めています。炊飯事業では、既存の日配商品は需要に応じた改廃と新商品開発を継続強化していき、さらにはおにぎり、ライスピザ、大福などの冷凍商品の研究・開発・販売にチャレンジしていきます。
米心石川は世の中の変化に対して、柔軟に適応し、同社自身も変革し続けることで、成長し続ける会社を目指し、そうすることで地域の農業や農家さん、食卓の笑顔を守り続けることを目指しています。その実現のためには、やはり「人」が肝心です。企業を構成する「人」こそ企業そのものであり、人の意欲・能力・行動が変わって初めて企業は変わります。社員一人一人の成長、ひいては企業の変革・成長へとつながるような取り組みを継続・強化していきます。
「生産者と消費者のかけはし」として次の10年に向けて
代表取締役社長 寺田 吉浩氏
精米および炊飯商品の製造販売を主たる事業とするわが社は、減少する精米消費、装置産業としての投資の重要性を鑑み、令和4年度からの3か年計画において次の3点に取り組みます。
第1は投資に耐えうる財務基盤の強化として1億円以上の経常利益の確保。第2は社員の育成で、教育制度の拡充、賞与・有給取得率の向上など待遇改善、業務改善活動やテーマ別委員会の運営により職場の活性化をすすめます。第3は新たなジャンルの商品開発、中長期の米消費を見据えた精米センターなどへの投資、増加していく転作作物の加工など、ポスト3か年に向けての検討・芽出しです。これらの取り組みにより「生産者と消費者のかけはし」として次の10年に向かっていきたいと考えています。
会社の概要 （令和4年3月31日現在）
本社所在地●〒920-0364 石川県金沢市松島1丁目1番地
事業内容●米穀事業（玄米の集荷・販売、精米の製造販売）
炊飯事業（ご飯・おにぎり・すしなどの製造販売）
商事事業（乾麺・食用油・小麦粉・パックご飯・米粉などの販売）
設立年月●2007年7月
代表者●寺田 吉浩
従業員数●200人（うちパート100人）
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