自己改革はほぼ計画通りに進捗
臨時総代会後に記者説明会を開催
全農は3月27日、東京・大手町のJAビルで「平成30年度事業計画」と「農林水産業・地域の活力創造プラン」に係る取り組み状況について記者説明会を開きました。
同日午前に開催された臨時総代会で、平成30年度事業計画が承認されたことに伴うもので、新聞社など18社29人の記者らが出席しました。
冒頭で、長澤豊会長は「3か年計画の最終年度の総仕上げに取り組むとともに、2年目に入る『自己改革』の加速化を進める」「JAと連携し、全農が農家・組合員からの期待に応えられる、農業分野の『総合ステーション』となれるよう、精いっぱい努める」とあいさつしました。
その後、神出元一理事長が、平成30年度事業計画と、自己改革の進捗状況を説明しました(主なポイントは下記の通り)。
また、イオングループで要職を歴任した寺嶋晋(すすむ)氏を登用したことを発表しました。戸井チーフオフィサーのもと、営業開発部の業務を中心に販売事業全般のサポートに当たります。
「農林水産業・地域の活力創造プラン」に係る取り組み状況
肥料
●高度化成・NK化成肥料の一般銘柄について、全国400銘柄を17銘柄に絞り込み、29肥料年度春肥では7万㌧を超える予約数量を積み上げ
●入札によりメーカー数を14社33工場から8社13工場に削減、銘柄当たりの生産数量を約250㌧から約4000㌧に拡大
●供給範囲も全国一律からブロック単位に変更し、配送コストを圧縮。これらの結果、おおむね1~3割の価格引き下げを実現
農薬
●農薬担い手直送規格は通常規格と比較し、おおむね2~3割の価格引き下げを実現。その取扱いは28年度実績120JA・2.1万㌶から大幅に伸長し、29年度は274JA・5.25万㌶の見通し
農業機械
●29年9月に生産現場の声を反映させた、60馬力クラスのトラクター1~2型式をメーカーに開発要求。全国目標台数を1000台(30~32年)として、共同購入を希望する生産者からの事前申込を取りまとめのうえ、30年6月に入札によりトラクターの型式を決定し、共同購入を実施
段ボール
●標準パレット寸法等を基準に、3品目(タマネギ、サトイモ、ピーマン)の全国標準段ボール箱規格(44規格)を設定。対象245JAのうち、106JAが購入意向を示し、年間約300万ケース分の積上数量に基づき、ブロック別・品目別見積もり合わせを29年10月に実施し、基本価格条件を決定
●3品目で約1400規格あるなか、県域独自の規格集約と合わせて、約3割程度削減の見込み
飼料
●JA西日本くみあい飼料(株)の倉敷新工場が29年6月に稼働し、水島工場、神戸工場の製造を移管。今後、坂出工場の移管を進め、倉敷新工場・宇和島工場の2工場での合理的な製造・供給体制を実現
●米国では全農グレイン(株)の原料船積能力を増強(年間1900万㌧、現行比550万㌧増)し、30年4月から稼働
米穀
●直接販売計画100万㌧、買取販売計画30万㌧ともに達成の見込み
●直販関連インフラの整備では、29年度は3か所で広域集出荷施設を設置
園芸
●直接販売計画3200億円をほぼ達成の見込み
●直販関連インフラの整備では、29年度は2か所で調整・加工施設等を設置
輸出
●JAグループの輸出額の29年度見通しは前年比116%の144億円
●米では、多収・低コスト栽培の実証試験を4県17JAで実施
●香港向け桃、シンガポール向け白菜・大根でリレー出荷を実施