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青果物のパレット輸送拡大に向けた共通管理システムを構築

スマートフォンやPCなどでパレットの移動情報や商品情報の可視化を実証

 全農は、持続可能な青果物流通の実現のため、パレット輸送拡大に向けた「パレット共通管理システム」を開発し、実証試験を実施しました。


 運送業界におけるドライバー不足や残業時間規制厳守化(2024年問題)により、青果物輸送における「運べないリスク」が顕在化するなか、いまだ手荷役作業が多い青果物輸送は、運送会社から敬遠される傾向があります。全農では、手荷役削減に向けたパレット輸送の拡大に取り組んでいますが、流通の各段階におけるパレットの管理責任が不明確なことによりパレット回収率が上がらず、産地の費用負担が増えるなど課題が出ています。このため、パレット管理責任の可視化を目的として、国庫事業を活用した「パレット共通管理システム」の開発を進めています。

 令和3年度は、全農本所と産地(ホクレン、秋田県本部、鹿児島経済連)、卸売会社(東京青果、JA全農青果センター)、物流事業者(全農物流ほか)、パレットサプライヤー2社、システム開発企業による「パレットを活用したデータ連携システム開発検討会」を組成し、産地出荷情報とパレットサプライヤー各社の管理状況も含めた物流情報を連携するシステム構築と、その実証方法について協議しました。今年3月には産地から卸売会社までの試験輸送を行い、スマートフォンやPCなどでパレットの移動情報や商品情報の可視化を実証することができました。

 当システムの本稼働により、サプライチェーン全体での商品・物流情報の共有や、ICT活用による産地・卸売会社での荷受け業務の効率化が期待されます。このため、令和4年度は、仲卸業者などへ範囲を拡大した開発・実証をおこなうとともに、パレット運用に関するルール策定についても協議し、青果物のパレット輸送拡大に向けて取り組みます。

循環型パレット輸送のイメージ
 
産地での実証試験(産地がiPadで貨物情報を確認する様子)
卸売会社での実証(荷受けの様子)

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