全農創立50年、次の時代を築くため挑戦し続ける全農
令和4年度の事業開始にあたり、ごあいさつさせていただきます。会員の皆さま、組合員の皆さまにおかれましては、本会事業につきまして格別のご支援とご協力を賜り厚くお礼申しあげます。
まず、未だ収束が見えないコロナ禍の中、不安な日々をお過ごしかと思います。昨年度は消費減退により農畜産物の販売価格が低迷する一方、原油をはじめとした資材原料の世界的な需給ひっ迫などによる価格高騰が一度に押し寄せ、農家経営だけではなく、国民のくらしにも大きな影響を及ぼしました。
このような中、本会は3か年計画(元〜3年度)の最終年度として、五つの最重点事業施策((1)生産基盤の確立、(2)食のトップブランドとしての地位の確立、(3)元気な地域社会づくりへの支援、(4)海外戦略の構築、(5)JAへの支援強化)の総仕上げに取り組みました。
そして本年度から、新たな中期計画(4〜6年度)が始まります。
社会や経済、生活のさまざまな領域において、目まぐるしい変化が起きており、これまでの事業の延長線上だけでは、皆さまからのご期待に応えることが難しくなっています。
30年後の2050年は国内人口が1億人を切り、高齢化はさらに進むことが予想されます。また、10年後の2030年には基幹的農業従事者が現在の約半数になると推測します。消費者の働き方やライフスタイルは変化し、コロナ禍でこの動きは加速しており、多様な販売チャネルの構築と、将来に渡り食を安定的に流通させる仕組みづくりが必要となります。そして、国内の食料消費が減る中、海外マーケットニーズを踏まえた輸出についても、さらに拡大に取り組むことが国内農業の生産基盤維持には重要です。
一方、あらゆる分野でのデジタル技術の進展、SDGsや脱炭素化など社会的な動きなど、これらにも柔軟に対応していかなければなりません。
このような情勢を踏まえ、10年後を見据えた2030年の全農グループのめざす姿を「持続可能な農業と食の提供のために“なくてはならならい全農”であり続ける」と定めました。また、めざす姿の実現に向け、六つの全体戦略((1)生産振興、(2)食農バリューチェーンの構築、(3)海外事業展開、(4)地域共生・地域活性化、(5)環境問題など社会課題への対応、(6)JAグループ・全農グループの最適な事業体制の構築)を設定しました。これらの実践に役職員が一致団結して取り組んでまいります。
最後に、3月30日に、全農は創立50周年を迎えました。経済連との統合やグループ会社の再編などを経ながら、農家組合員の経営の安定化と食の全国供給を担うべく、事業環境の変化や災害などのさまざまな局面を挑戦することで乗り越え、今日の礎を築いてまいりました。この礎のうえで、全農は今後も変わらず挑戦を続け、これからの新しい時代を皆さまと築いてまいりたいと願っています。引き続き変わらぬご指導をお願いいたします。