プロフェッショナルを追う(6)くらし支援事業部 品質・表示管理室 伊藤裕明(いとうひろあき)さん、竹内愛美(たけうちあみ)さん
株式会社全農ビジネスサポート 礒﨑夕子(いそざきゆうこ)さん
安心と信頼を支える品質管理を目指して 商品に込めた想いを反映する食品表示
全農グループには専門的な業務に従事している職員がいます。今回は営農・技術センターで働く品質・表示管理のプロに迫ります。
――仕事内容について教えてください。
エーコープマーク品の商品管理が主な業務となります。風味や食感などの比較検討(官能検査)や、品質基準設定と商品仕様書の確認、原材料や栄養成分に基づく食品表示の検討・点検、製造工場の調査対応といった、商品管理に必要なあらゆる業務に対応しています。
また、約1000種類に及ぶエーコープマーク品について、商品仕様や製造工程など膨大な情報量のデータ管理も大事な仕事です。全農独自のデータベースを用い、全農ビジネスサポートと全農の二人三脚で商品管理を支えています。
――チームでは食品表示診断士の資格を持つ方が多いと聞きました。
新任職員(社員)がまず勉強するのが食品表示に関する法律です。食品表示法・食品衛生法・JAS法など、関連する法律は多岐にわたります。資格がなければ業務ができないわけではありませんが、法律の把握は商品管理に必須であり、知識の習得と業務への応用力を見極めるために重要な資格です。
また、「食品表示」においては法律に基づく適正な記載だけでなく、その商品の魅力や「何を大切にしているか」を伝えることも重要になります。
――エーコープマーク品の表示ではどのような工夫があるのでしょうか?
例えば原料原産地表示(産地または製造地)は最も使用されている原材料のみ記載すれば法律上はOKですが、エーコープマーク品では上位2位までの原材料中5%以上の重量があれば原産地名を記載しています。また、主原料が国産農畜産物の商品に「国産愛用マーク」を貼付して、「国産原料」を重視したブランドであることを示しています。組合員の立場に立って、パッケージに掲載されているイラストや写真が適しているかなど、細かなチェックもしています。
限られたスペースに、その商品・ブランドに込められた想いをどう反映するか、重要な業務となります。
――膨大な知識を必要とされるうえ、更新も大変ですね。
当室のメンバー全員が日々学び続けることが重要だと考えています。例えば「食品表示」に関する法律は原料原産地やアレルギー、栄養成分など消費者が求める情報が多様化するにつれ、どんどん細かく改定されており、勉強した内容がすぐに役に立たなくなるケースも多くなっています。安心・安全な商品をお届けするためにメンバーで補い合って知識をアップデートし続けていきたいです。
また、食品表示の知識に加えて、原料や製造工程など勉強していくと「どうすればおいしいものに巡り合えるか」が分かってくるので、苦労もありますが、楽しみながら勉強しています。