大分県で2企業が「レモン」生産に参入
行政やJAと連携し支援 産地拡大目指す
大分県本部は、行政やJAと連携し、企業参入による産地振興を支援しています。「マリンレモン」の産地として知られる佐伯市で、小川香料(株)と南信州菓子工房(株)による、国産レモンの生産を目的とした現地法人の立ち上げを全面的にバックアップしています。
レモンはインドのアッサム地方が原産で、地中海沿岸諸国に伝わり、特にイタリアで栽培が盛んです。日本へは明治の初めに伝わっており、広島県や愛媛県、和歌山県と、とりわけ温暖な地域を中心に栽培されています。大分県内では1958年から、主に佐伯市で栽培しています。
小川香料は、香りにこだわった国産原料を自社で生産し、地方農業活性化のため、また、南信州菓子工房は、生産者の高齢化と老木化により生産縮小に向かっていることから、農業参入を決めました。
植栽に至るまで
行政の協力もあり、耕作放棄地となっていた旧柑橘(かんきつ)産地を、小川香料が佐伯市米水津色利浦で約8ha、南信州菓子工房は同市蒲江町畑野浦で約10haの規模で集積し借り受けることができました。
その後、小川香料は2018年8月に現地法人「小川香料おおいた佐伯農場(株)」を、南信州菓子工房は2019年5月に「大分佐伯ファーム(株)」を立ち上げ、行政・JAと連携した会議を開催し、情報共有と事業内容の確認を行ってきました。
両社は2021年3月からレモン苗木の植栽を開始しました。小川香料おおいた佐伯農場は2022年3月までに約8haで約4000本、大分佐伯ファームは2023年3月までに約10haで約6000本、合計1万本を植え付けする予定で、大分県本部も一緒にレモンの植栽などを行い、一丸となって生産振興に取り組んでいます。
耕作放棄地を園地化することが生産振興・地域の活性化につながることから、大分県本部は行政・JAと連携し、産地拡大に取り組んでいきます。また、営業開発部は今後、このような企業参入の取り組みをJAグループ内において広げていきたいと考えています。