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広報・調査部

プロフェッショナルを追う(5)福岡県本部 農機資材部 生産資材課 県南地区肥料農薬推進担当・土壌医
久保成人さん

土壌・作物・作業効率など農家のニーズに合わせ肥料を提案

 全農グループには専門的な業務に従事している職員がいます。今回は、福岡県本部農機資材部生産資材課で肥料・農薬の推進業務を担当する久保成人(くぼ あきひと)さんに迫ります。


――これまでのキャリアについて教えてください。

 2014年に入会し、福岡県本部農機資材部生産資材課に配属となりました。県北地区の肥料農薬推進を3年間担当した後、九州営農資材事業所で肥料の推進担当を経て、19年から県南地区の肥料農薬推進を担当しています。

――仕事について教えてください。

 JAへの肥料・農薬の販売推進や技術普及が主な仕事です。新しい農薬の紹介や現地での試験調査、施肥の新技術ができれば同様に試験調査を実施します。最近では、普通作(主穀作)の大口農家へのオリジナル肥料の開発や、未利用資源(畜産堆肥)の肥料原料としての活用などにも取り組んでいます。

――オリジナル肥料の開発とは?

 土壌診断に基づき、各圃場(ほじょう)に合った肥料を提案、開発しています。土壌分析センターでの分析結果を基に処方箋を作成し、JAの担当者、農家と相談しながら肥料を設計します。

 2020年の肥料法改正で、肥料設計の自由度が大幅に増しました。養分の過不足や肥料の成分を見るだけではなく、圃場の状況や散布する機械、個々の作業スタイルなども考慮します。

 近年は農家の大規模化が進み、特に省力化が求められています。今まで数回に分けて施肥していたところを1回で終わらせるように肥料を設計するなど、労力を削減することは人件費を抑えることにもつながります。最近では、大麦若葉のオリジナル肥料を作りました。

JAの担当者、農家と肥料設計について話し合う
ペレット化に成功した堆肥の混じった肥料

 

――未利用資源を活用した肥料について教えてください。

 担当するJAから、堆肥の処理に困っていると相談がありました。堆肥を圃場にまくことはいいと農家も分かっていますが、重労働だったり、専用の農機が必要だったりします。肥料法の規制緩和もあり、今まで別々にまいていた堆肥と肥料を一度に散布できるよう、堆肥が入った肥料を開発しました。堆肥を肥料と混ぜて粒化(ペレット化)するには機械加工適正や成分・水分などの安定化が必要です。堆肥センターと肥料メーカーをつなぎ、双方の努力で何とかペレット化することができました。今はその堆肥入り肥料を管内の大豆農家が使ってくれています。

――今後、取り組みたいことは?

 地域で余っている堆肥のように、海外資源に頼らない未利用資源の有効活用です。今は自分が担当する管内の話ですが、九州から原料を探して開発するなど、広域供給に取り組みたい。堆肥はリーズナブルで、肥料代も抑えられます。肥料として散布できるように堆肥の品質、加工工場への運搬方法、加工後の品質管理を適宜調査し、一定した品質の肥料の作成を目指したいです。

 

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