特集

特集

【海外拠点便り】ウイリアム・H・マイナー農業研究所

大酪農地帯での共同試験を実施 得られた知見を日本に発信

 全農は1996年から米国ニューヨーク州北部にあるウイリアム・H・マイナー農業研究所(マイナー研)と業務提携しています。全農の飼料畜産中央研究所の職員1人が現地に駐在しており、乳牛の飼養管理・商品開発に関わる共同試験と米国の知見の情報発信を行っています。

 マイナー研は、1915年に当地出身のウイリアム・H・マイナー氏が創設した農場を前身とし、1951年に設立されました。酪農分野における教育、研究および地域貢献に力を入れています。直近では、約500頭の搾乳牛で、年間平均乳量1万4000kg/頭を超える高成績を安定して維持しています。州内外を問わず、酪農後継者や学生の研修を受け入れながら、国内外の企業、州政府、米国政府(農務省、環境保護庁)との共同研究を実施しています。

 全農とは、移行期の飼養管理、トウモロコシ代替原料の評価、粗飼料・繊維発酵の評価と給餌戦略、子牛の飼養管理などの共同試験を実施してきました。得られた知見は商品開発、担当者のスキルアップに活用する他、毎年日本で開講する「全農酪農セミナー」を通して農家の方々へも情報共有するなど、日本の酪農生産現場で活用されることを目指しています。

 新型コロナウイルスの影響により、一部の教育プログラム・セミナーなどがオンラインでの実施に移行していますが、昨年マイナー研が主催したオンラインセミナーでは米国内外から3500人を超える参加者があるなど、新しい情報発信の仕方も模索しています。

ウイリアム・H・マイナー農業研究所
 

牛たちのイチオシ現地食

 ニューヨーク州は米国でもトップ5に入る乳生産量を誇る一大酪農地帯です。マイナー研では自給のコーンサイレージを豊富に使用し、嗜好性の高い完全混合飼料(TMR)を牛の好きなだけ食べさせる最高の食卓づくりを常に目指しています。「実入りよし! 切断長よし! 発酵品質よし! 今日も美味である」(牛より)。

カテゴリー最新記事

ページトップへ