米の安定生産を基盤に 複合経営を強化
秋田県の内陸南部に位置するJA秋田おばこは、基幹作物の米を主軸に複合経営を推進し、農畜産物の生産振興や販売力強化に努めています。
販売力強化で厳しい米情勢を乗り切る
管内は全国有数の米の産地で、農畜産物販売の8割弱を米が占めています。米を取り巻く情勢は厳しくなっていますが、当JAでは国の政策転換以降も一貫して「生産の目安」を遵守し「実需と確実に結び付く米生産」を実践、産地・銘柄指定の契約や特別栽培米のブランド化など、多様な取り組みを進めています。令和2年3月には全国初の試みとなる、5カ年に渡る1万tの加工用米の複数年契約を全農と締結しました。長期に安定した米生産を望む生産者と、原料を安定的に確保したい実需者双方のニーズに応えています。
複合経営で安定した農業経営を
米を主軸とした農業経営を安定させるため、当JAでは園芸や畜産との複合経営の強化を図っています。令和3年度は農業販売高222億円の目標に向けて、栽培技術の向上や品質の高位平準化に励んでいます。組合員への適切な栽培技術指導を実践するため、令和2年度から営農センターを5エリア化。さらに、指導特化型の業務体制を構築するため、3年度からは営農指導課を新設しました。管内の中心地に事務所を設置して営農指導員を集約し、現地に出向く指導業務に専念できる体制を整えています。
直売施設を活用した農業所得の増大を目指す
生産者の所得増大に寄与すべく、複合経営による生産拡大を進める中で重要となる販売力強化や販路拡大の一助にしようと、平成29年6月にファーマーズマーケット「しゅしゅえっとまるしぇ」をオープンしました。生産者自らが販売方法を工夫し出荷する農産物は、新鮮で品質が高いと地域住民から好評で、売り上げは年々増加。令和2年度には売り上げが目標としていた2億円を突破しました。生産者と消費者をつなぐ場として、地域のにぎわいづくりにも貢献しています。
農畜産物を取り巻く情勢は一層の厳しさを増していますが、こうした独自の取り組みの利点を最大限に発揮し、使命である「生産者の所得増大」「農業生産の拡大」を目指していきます。
概要 | 令和3年3月31日現在 |
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正組合員数 | 2万1031人 |
准組合員数 | 7426人 |
職員数 | 698人 |
販売品取扱高 | 193億3千万円 |
購買品取扱高 | 70億7千万円 |
貯金残高 | 1350億7千万円 |
長期共済保有高 | 4654億7千万円 |
主な農産物 | 米、菌床シイタケ、花き(リンドウ・ダリア・菊など)、エダマメ、トマト、アスパラガス、長ネギ、繁殖和牛 |