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広報・調査部

プロフェッショナルを追う(2)施設園芸のプロフェッショナル 高度施設園芸推進室 知識秀裕さん

データに基づく栽培が当たり前になる世の中を目指して

 全農グループには専門的な業務に従事している職員がいます。今回は、耕種総合対策部高度施設園芸推進室の知識秀裕さんに迫ります。


――これまでのキャリアについて教えてください。

 農学系の大学院を卒業後、新規で農業ビジネスを立ち上げた企業に就職しました。約1haの実証農場に勤務した後、農業資材の技術営業として全国の生産者を回り、栽培指導や勉強会の講師などにも取り組みました。当時の職場の先輩やオランダなどの技術者から、「五感」を大事にした上で数字に基づく論理的な栽培管理手法を学んだことが、今の自分の基礎になっています。

 その後、縁あって「やまもとファームみらい野」(宮城県)のトマト農場の立ち上げ支援のため、全農に入会しました。それまでの経験を活かして、1年目から50t/10aという出荷量を達成できました(ロックウール養液栽培、1~12月・周年栽培)。

生産現場での栽培指導
 
データを基にした栽培管理と五感で感じる要素の両方が重要

――50tはすごい数字ですね。そのような数字を達成できた理由は何ですか?

 栽培管理という観点では、植物を毎日観察することに加え植物状態や栽培環境をきちんと測定、数字で把握して、その結果を栽培管理に活かすという「当たり前」のことをしたことが大きな理由だと考えています。ただし、この「当たり前」のことができている農場はそう多くありません。

 現在は全農の実証農場「ゆめファーム全農」の実証支援全般と、そこで得られたノウハウをもとにコンサル指導も任されていて、収益の向上に貢献できています。そこでも植物の測定データを基礎とした指導を徹底しています。ただし、データだけではわからない生産者やパートさんの雰囲気、現場のにおいや機器の音など五感から感じ取る要素も重要なので、現場にも足を運んでいます。

強い経営を実現する生産者への支援

――今後に向けて取り組んでいることはありますか?

 コンサル指導を組織として行う体制の整備と遠隔コンサルの仕組みの構築です。近い将来、施設園芸においても1haを超える規模での生産がさらに増えると考えています。そうなればこれまで以上にコンサルへのニーズが高まると思います。そうした要望になるべく数多くお応えできる体制を作り、「データと五感」をフル活用できる人材を通して、生産者の強い経営の実現に貢献していきたいと思っています。

遠隔コンサルの仕組み構築検討

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