全国の産地を応援する「ニッポンエールプロジェクト」が始動
全農では2019年から日本全国の特徴ある農畜産物を原料とした加工品を「ニッポンエール」の新ブランドとして発売しています。この取り組みを消費者と一緒になってさらに盛り上げていこうと、2021年6月から全国の産地を応援する「ニッポンエールプロジェクト」をスタートしました。
「ニッポンエール」というネーミングには、国内で生産されるたくさんの食べ物への愛情と、日本の食を支える人々に対する感謝の気持ちが込められています。日本を元気に、そして豊かにしたいという想いから、さまざまな企業と連携し、日本の農畜産物の新たな価値を創造し続けています。これまでに開発した商品は、県産指定の果実などを使ったドライフルーツやキャンディ、グミなどの他、鍋つゆや冷凍野菜、サンドウィッチなどのデリカに至るまで商品ラインアップは多岐にわたり、たくさんの人に楽しんでいただいています。
「ニッポンエールプロジェクト」はこの取り組みを消費者と一緒になってさらに盛り上げたいという想いから、「全国から届けられる日本産のたべものに、そしてにっぽんに、ここからエールをおくろう」というコンセプトのもと、メーカーや販売先と協力して、国産農畜産物のPRやキャンペーンなどを展開し、商品を通じて産地を応援していこうという活動です。
全農と伊藤園はJA宮崎経済連と連携して、「ニッポンエールプロジェクト」の第一弾となる清涼飲料水「ニッポンエール 宮崎県産日向夏」を6月に新発売しました。太陽をいっぱいに浴びた日向夏の特徴であるさわやかな酸味とほどよい甘味を生かし、すっきりと仕上げた自信作です。日向夏はまだ全国的な知名度が低いため、農家が引き続きおいしい日向夏を栽培し続けていけるように、認知度を向上させることで生果の販売拡大につなげていきたいと考えています。
日本の農業現場では多くの課題があります。農業に従事される方は、この5年で22.5%減少し約136万人になりました。65歳以上の農家が占める割合が約70%と、高齢化も進んでいます。また、この1年はコロナ禍の影響で特に一番人手が必要な収穫の時期に働き手が不足しています。特徴ある農畜産物の産地を維持するために、後継者育成やPR活動などJAや自治体などがさまざまな取り組みを行っています。
宮崎県の日向夏産地も同じ課題を抱えています。1820年ごろ、現在の宮崎市の民家で発見された1本の木がルーツと言われ、その後「日向夏」と名付けられて広く栽培されるようになり、今では宮崎を代表する特産果実となりました。太陽の光をたくさん浴びた日向夏は食べ方も特徴的で、表皮と果肉の間にある真っ白なドレス(白皮)にはほのかな甘味があります。この白皮を残して表皮をむき、果肉と一緒に食べることで、ほかの柑橘(かんきつ)類にはない爽やかな香りと白皮の甘味、果肉の酸味の調和を楽しむことができ、全国にファンが拡大中です。
この日向夏の特徴を活かした「ニッポンエール 宮崎県産日向夏」を伊藤園とともに全国に展開し、多くの消費者に味わっていただきます。特設HPでは産地や生産者の想いを発信し、SNSで生果が当たるキャンペーンを企画しています。今後も「ニッポンエールプロジェクト」ではさまざまな商品を通じて、全国の特徴ある農畜産物の産地を応援する取り組みを進めていきます。
株式会社伊藤園 広域量販店 営業本部一部第二課 本部晋太郎 課長(全農担当者)
当社はこれまで、国産農産物のおいしさや質の高さを広めたいという想いを全農様と共にして、「毎日の健康茶(ティーバッグ)」「濃い健康青汁(粉末)」の二製品を共同開発してきました。そして今回、国内農業・農畜産物支援をより強力なものとし、より大きな輪への広がりを目指す「ニッポンエールプロジェクト」参画への呼び掛けにお応えし、プロジェクトの第一弾製品として、「ニッポンエール 宮崎県産日向夏」を共同開発しました。日向夏を栽培される農家の皆さまの想いを、日向夏のスッキリとしたおいしさとさわやかな香りにのせて、多くの消費者の皆さまにお届けすることで、日向夏の認知と消費拡大、産地活性に全力で努めてまいります。今後は第二弾製品の発売も予定しており、国産農畜産物の活性化に継続的に貢献してまいります。