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スマート農業に弾み

 農家の高齢化や労働力不足が深刻になる中、農作業の効率化や省力化は喫緊の課題となり、課題解決の方策としてスマート農業に期待が集まっています。全農は、独自の営農管理システム「Z-GIS®」の普及を進めています。 


営農管理システム「Z-GIS®」
パソコン上で営農情報管理

 担い手の大規模化に伴い、白地図に圃場(ほじょう)を手書きする従来の方法では、作付けや作業の情報管理が難しくなっています。「Z‐GIS®」を利用すると、インターネット上の電子地図とMicrosoft Excelのワークシートをひも付けし、パソコン上で営農情報を管理することができます。作物別に地図を色分けする、今週防除する圃場だけを抽出する、色分け・抽出した地図を印刷するなどの作業が効率的に行えます。

 こうした機能はJAにとっても便利です。栃木県のJAかみつが日光営農経済センターは、無人ヘリで防除する約6000枚の水稲圃場をZ‐GISに入力し、共同防除の申し込みや集計の労力を大幅に軽減することができました。JAに出荷する蔬菜(そさい)組合の圃場をZ‐GISに登録し生産状況を管理する、水稲新品種の栽培圃場を入力し農業改良普及センターと共有するなど、各地で活用が進んでいます。

Z-GIS®の詳細はこちら
https://z-gis.net/99/index.html

JAかみつがではZ‐GIS®で共同防除の対象圃場を管理している
JAかみつがではZ‐GIS®で共同防除の対象圃場を管理している
 


 栽培管理支援システム 「ザルビオ®フィールドマネージャー」
AIが病害、雑草発生、生育を予測

 全農はZ‐GISに続いて「xarvio® FIELD MANAGER(ザルビオ®フィールドマネージャー、以下ザルビオ)」の日本国内へのサービス提供を4月1日から始めました。「ザルビオ」はAIを利用して病害や雑草の発生、生育ステージを予測するWebシステムです。ザルビオの地図に圃場の位置、播種(はしゅ)日や移植日、品種などを登録すると、例えば幼穂分化期、出穂期に達する日を事前に利用者に知らせます。水稲では、天候の推移からAIが判断し、「いもち病の発生リスクが高まっている」といった病害アラートを発出します。大豆向けには雑草発生の予測機能を備えています。さらに人工衛星撮影画像を解析して「見える化」した生育マップを、パソコンやスマートフォンから見ることができます。ザルビオには、相手の承認を得たうえで、他の生産者の圃場や作付け情報を閲覧できる機能があります。JAがこの機能を使うことで、営農指導の効率化が期待できます。組合員にザルビオ上でアドバイスすることも可能です。

 ザルビオは高精度な予測を実現するために国内外の生育に関するデータ、学術論文の文献データを基に機械学習によって強化したAIを駆使して、生産者の栽培管理上の意思決定をサポートします。ドイツのBASFデジタルファーミング社が開発したシステムで、海外では2017年にサービスが始まり、現在は世界16カ国500万ha以上の農地で利用されています。

 全農とBASFジャパンは4月1日にザルビオを紹介するオンラインセミナーを開き、ザルビオの機能、全農のスマート農業戦略を説明するとともに、ザルビオを使用した4人の農業者インタビューを交えたパネルディスカッションを行いました。生産者、JA、企業などから500人近くが参加し、参加者の6割がアンケートに「たいへん満足」「満足」と回答しました。

 ザルビオは7月末まではすべての機能が無料で利用できます。ぜひこの機会にご利用ください。

ザルビオ®フィールドマネージャーの詳細はこちら
https://www.xarvio.com/jp/ja.html

4月1日に開き約500人が参加した 「ザルビオ®フィールドマネージャー」のオンラインセミナー
4月1日に開き約500人が参加した
「ザルビオ®フィールドマネージャー」のオンラインセミナー
ザルビオ®フィールドマネージャーの紹介ちらし
ザルビオ®フィールドマネージャーの紹介ちらし
「ザルビオ®フィールドマネージャー」で作成した施肥マップをもとに可変散布が可能なブロードキャスタ
「ザルビオ®フィールドマネージャー」で作成した施肥マップをもとに可変散布が可能なブロードキャスタ

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