令和3年度事業計画のあらまし
情勢認識
(1)新型コロナウイルス感染症の拡大による農業現場および消費行動の変化(労働力不足、内食化、eコマース・宅配ニーズの拡大、衛生意識の高まりなど)
(2)国内人口・農業就業者の減少や農地集積などの進展
(3)農畜産物や生産資材の円滑な流通体制維持への懸念
(4)政府による「食料・農業・農村基本計画」の決定(多様な経営体の活躍促進、輸出拡大など)
(5)JAの信用・共済事業の収益低下と、経済事業の早急な収益改善
(6)自然災害や重要家畜疾病の度重なる発生
(7)社会的な課題をふまえたSDGs(持続可能な開発目標)に対する取り組みの要請
(8)デジタル化の進展にともなう農業での多様な先端技術の導入・普及
基本的な考え方
3か年(元~3年度)計画最終年度
最重点事業施策の加速化
1.生産基盤の確立
2.食のトップブランドとしての地位の確立
3.元気な地域社会づくりへの支援
4.海外戦略の構築
5.JAへの支援強化
情勢をふまえた本会の対応
●コロナ禍における生産・消費の変化への対応
●自然災害・重要家畜疾病からの復旧・復興
●「食料・農業・農村基本計画」に対応した施策展開
●グループ会社と一体となった事業競争力強化
●SDGs(持続可能な開発目標)への取り組み
最重点事業施策
生産基盤の確立
1.労働力支援や担い手の育成
(1)農作業受委託や農福連携などによる労働力支援やブロック協議会での広域連携
(2)新規就農者研修事業の実施や実践型研修農場の運営を通じた新規就農者の育成
2.農業現場での取組強化
(1)「Z-GIS」や「ザルビオフィールドマネージャー」等のスマート農業技術の普及による生産性向上、「ゆめファーム全農」における大規模施設園芸技術の実証
(2)堆肥や飼料作物を循環させる耕畜連携の実践
(3)輸出・加工業務用向け農畜産物の産地づくりの強化
(4)牛舎賃貸事業の拡大や搾乳の超省力化モデルの実証を通じた家族経営支援
3.物流合理化と購買品目の競争力強化
(1)青果物の広域集出荷施設や産地ストックポイントの整備、米の統一フレコンの導入・普及
(2)JA資材店舗の再編・整備への支援や共同運営
(3)中型共同購入トラクターの供給拡大や全国標準規格段ボール箱への集約
食のトップブランドとしての地位の確立
1.商品開発力・ブランド力の強化と需給調整機能の発揮
(1)グループ販売会社やファミリーマートなど資本・業務提携先との連携強化、「全農グループMD部会」による商品開発
(2)生乳流通の需給調整機能の発揮と、業務用牛乳の安定販売
2.コロナ禍の消費者ニーズ等をふまえた対応
(1)JAの出店促進による品ぞろえ拡充と会員向け特典プログラム導入などの販売促進強化によるJAタウンの取扱拡大
(2)冷凍青果物の製造や実需者への共同配送等の機能を有する大消費地販売に向けた事業拠点整備
(3)青果物の包装・加工・冷蔵機能などを有する、地域における直販施設の整備・拡充
3.実需者ニーズにもとづく生産提案と契約栽培
(1)実需者ニーズに応じた多収米等の契約栽培の拡大
(2)大手製粉会社との提携による国産小麦の安定的な需要確保と生産拡大
(3)資本・業務提携先を含む実需者への安定供給に向けた、加工・業務用青果物の契約栽培の拡大
元気な地域社会づくりへの支援
1.地域のくらし支援強化
(1)ファーマーズ型店舗の拡大による地産地消の取組強化、Aコープ会社の事業基盤強化
(2)宅配事業や買物インフラ維持支援の拡大、農泊のモデル展開などライフライン事業の取組強化
2.燃料供給体制の維持・強化とホームエネルギー事業の取組強化
(1)セルフSSの設置やガスキャッチの普及拡大
(2)組合員家庭向け電力供給や再生可能エネルギーの普及拡大
海外戦略の構築
1.輸出事業の拡大とオールジャパンでの輸出体制の構築
(1)海外展開を積極的にすすめる他企業との連携強化によるマーケットイン型の輸出事業の確立
(2)海外拠点の拡充や産地間リレーの実践、eコマースの活用
2.資材・原料の安定確保
(1)原料産地の多元化による肥料原料の安定確保
(2)米国・ブラジル・カナダの関連会社を通じた現地での穀物集荷・調達の拡大
JAへの支援強化
(1)JA経済事業の部門・場所別収支分析をふまえた、全県域における「経済事業強化メニュー」の提案と実践
(2)他連合会等と連携した「見える化プログラム」の導入による改善支援と県域における水平展開
(3)県域JAが取り組む営農・経済事業改革プロジェクト等への参画、および現場での継続的な支援
(4)「農家手取り最大化実践メニュー」の実践や、講習会・研修会を通じた人材育成
事業運営・経営管理
(1)グループ会社間の業務連携や集約・再編
(2)国産農畜産物の消費拡大に向けた情報発信や、食農教育の実践
(3)コロナ禍の感染予防対策と事業継続体制の維持
自然災害・重要家畜疾病からの復旧・復興
(1)営農再開への支援と災害等に備えた態勢整備
(2)豚熱(CSF)や高病原性鳥インフルエンザ等の重要家畜疾病の拡大防止に向けた防疫対策支援
令和3年度経営計画
取扱高は、生活関連事業における石油の単価安およびコロナ禍による需要減等が見込まれる一方、園芸事業において、元年度に発生した台風被害からの回復による取扱数量の増加などを見込み、4兆5,000億円を計画します。