販路拡大とブランド力向上へ 農産物輸出拡大にも取り組む
JA伊勢は、2019年4月に合併し、伊勢市・鳥羽市・志摩市・尾鷲市・熊野市・玉城町・度会町・南伊勢町・大紀町・紀北町・御浜町・紀宝町の広大なエリアを管轄としています。
温暖な気候と肥沃(ひよく)な大地の恵みを受け、管内では多種多様な農畜産物が生産されています。
タイかんきつ輸入解禁を機に2010年から輸出スタート
県の最南端に位置する三重南紀地区(旧JA三重南紀)では、ミカンの国内販売の低迷が続いていた中、タイ王国が2007年に日本産かんきつの輸入を解禁したことにいち早く着目しました。
新たなマーケット獲得のチャンスととらえ、2008年度から検疫条件対応などの準備を開始し、販路拡大と国内での「三重南紀みかん」のブランド確立、知名度向上による農家所得の増大を目的に、2010年から早生温州ミカン、2012年から中晩かん「不知火」「せとか」の輸出を開始しました。
輸出後は、役職員らがタイ王国を毎年訪問し、バンコク市にあるタイ農業・協同組合省と情報交換を行ったほか、量販店で現地の買い物客らに「三重南紀みかん」をPRしました。それらが実を結び、輸出開始以降、順調に輸出量を伸ばしていきました。
しかし、2015年から殺菌や防かび対策、2018年以降はワックス処理や残留農薬検査の義務化が追加されるなどの新たな検疫規制が適用され、輸出量は一時、急減しました。
一方で、輸送ごとに両国の植物検疫官による合同検査が必要でしたが、2020年5月から、年に一度のタイ検疫官の査察制へと条件が緩和されました。
今年度は、ワックス塗布作業を効率化する装置を導入しました。今後は、輸出認定園地の広域化と輸出品種の拡大を目指します。
新たにイチゴ、次郎柿の試験的輸出開始、拡大へ
また、新たな販路の拡大や産地のPRを図ろうと、管内で盛んに栽培されているイチゴを台湾へ、次郎柿を香港へ試験的に輸出を開始しました。
今後も、現地のニーズに応じて、農産物の輸出に取り組んでいきます。
概要 | 令和2年3月31日現在 |
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正組合員数 | 2万3086人 |
准組合員数 | 2万3839人 |
職員数 | 983人 |
販売品取扱高 | 70億5千万円 |
購買品取扱高 | 63億5千万円 |
貯金残高 | 4516億7千万円 |
長期共済保有高 | 1兆1553億4千万円 |
主な農産物 | 米、青ネギ、イチゴ、花き、畜産、茶、温州ミカン |