茶生産者の経営安定へブランド化、商品開発
JA京都やましろは、京都府の南部が区域で大阪府、奈良県、滋賀県、三重県の県境に位置し、京都市、大阪市、奈良市の隣接の都市部地域と滋賀県、三重県の県境の中山間地域を併せ持つ5市6町1村の地域です。宇治茶と京野菜の2大ブランド産地です。
抹濃ブランドで付加価値を
同JAは、日本遺産第1号「日本茶800年の歴史散歩」に認定されているやましろ地域の宇治茶文化と歴史を守るとともに、コロナ禍による茶価の低迷が管内の宇治茶生産者に危機的な影響を与えている中、抹茶の販路拡大を通じて茶生産者の経営安定を図るため、2017年に商標登録した「抹濃(まっこい)」を前面に打ち出した商品を展開し、やましろ産抹茶の販路開拓を目指しています。
高級品から一般消費者が気軽に使用できる商品、加工用抹茶まで幅広くラインアップ。大山乳業農協のアイスミルクに提供し、今年7月の発売以降4万箱(1箱8本入り)を販売している他、抹濃を使ったブラウニーやフィナンシェ、マドレーヌなどJA独自商品の開発、販売も進めています。
宇治茶需要の拡大狙いスイーツ開発にも力
JAオリジナルスイーツの開発とともに、大手菓子メーカーや全国のスイーツ店、料亭、レストランなどに抹濃を使った商品開発を積極的に依頼しています。また、同JAの渉外係が訪問先で抹濃を紹介し商品化につながるなどJAを挙げて取り組んでいます。開発を検討する企業には抹濃を提供。商品化が決まった際は、抹濃ロゴが入った販促用のプレートやのぼりを貸与して店頭でのPRにつなげるのが狙いです。
既に山城地域の菓子店などで抹濃を使った大福やパンが商品化されています。店主からは、「抹濃は、加熱しても緑色が鮮やか。香りもよい」と好評です。
また、抹濃ブランドを消費者に広く周知するため、10月から11月にかけて「抹濃レシピコンテスト」を実施。12月下旬の審査会を経て入賞したレシピを公開することで、同ブランドの消費者への知名度アップと新たな消費拡大を図る予定です。
概要 | 令和2年3月末現在 |
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第1号組合員 | 1万3504人 |
第3号組合員 | 1万8247人 |
職員数 | 315人 |
販売品取扱高 | 60億9千万円 |
購買品取扱高 | 37億8千万円 |
貯金残高 | 3465億9千万円 |
長期共済保有高 | 7067億4千万円 |
主な農産物 | 宇治茶、京野菜(九条ねぎ、万願寺とうがらし、聖護院大根、えびいもなど) |